教育改革で小学校の理科はどう変わったか?

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 やってきました「2020年教育改革で小中学校の学習内容はどう変わったか?」シリーズ第3弾!

 小学算数→中学数学・理科と続いて、今回は小学理科を見ていきましょう。
(自然と自分の得意科目に記事が偏っていることに今更ながら気付きました。さて、次回どうしようか……)

 小学理科の変更点はそんなに多くはないですし、知っておかなければ学習面で大きな問題が生じるかと言うとぶっちゃけそうでもないですが、小学生の子供やその保護者の方々にとっては知っておいて損はない情報ですので、気軽に読んでいただけたら幸いです。

ゆうき塾長
ゆうき塾長

小学理科は生活との関わりが深いので、知っておくと日常のふとした場面で子供との話題になりますよ。

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主な追加内容とその詳細

  新たに追加された内容は主に3単元で、いずれも中学校からの移行ではなく新規で学習内容として加えられたものです。
 それでは、順番にどうぞ!

①「音の伝わり方と大小」が3年生に追加

さて皆さん、突然ですが「音とは何ですか?」
(別に哲学的な話ではありません、むしろ物理学的な話です)

 ……そう、「空気の振動」ですよね(一人芝居)
※物理専門の方々の細かいツッコミはスルーしますのでご了承ください。

 つまり、音の大きさは空気の振動の大きさということで、振動が大きい時は大きな音が聞こえ、振動が小さい時は小さい音が聞こえるわけです。

 ――というようなことを学習するのが今回追加された「音の伝わり方と大小」で、これを小学3年生で学習します。

ゆうき塾長
ゆうき塾長

うーむ、これを小3に分かりやすく説明するのは骨が折れそうだ……。

 もし3年生に冒頭のノリで「音とは何ですか?」なんて聞こうものなら、僕には荒唐無稽な発言の連発になる未来しか見えません……。

 まぁ実際の学校の授業では糸電話打楽器輪ゴムなんかを例にして説明するようですので、きっと先生が試行錯誤して実験を交えつつ分かりやすく教えてくれるんでしょうね。
(それにしても“糸電話”って……妙に懐かしい気分になるのは僕だけでしょうか?)

 本来「音」について詳しく学習するのは中学1年生です。
 それを考えると基礎的な内容だけとはいえ小3で勉強するには少々ハードルが高いように思えますが、上記の例などを用いて日常生活でも触れる機会を持たせやすいので、意外と抵抗なく学習できるかもしれません。

②「雨水の行方と地面の様子」が4年生に追加

 「雨が降ったら、その雨水はどこへいくのだろうか…?」

 こんな素朴な疑問、特に小さい子はよく抱きますよね。

ゆうき塾長
ゆうき塾長

そして保護者や先生に期待の眼差しで質問して、聞かれた方は困惑するという……。

 水は高い所から低い所へ流れ、そして土砂の粒が大きい程たまった水は速く浸み込んでいく
 そういったことを小学校4年生で学習するようになりました。

 この内容は、小学5年生で習う「流れる水のはたらき」中学1年生で習う「地層のでき方」といった単元へと繋がるもので、分野としては地学にあたります。

 4年生では、この単元以外にも「閉じ込めた水の性質」や「水の状態変化」といったをテーマにした単元がいくつかあるので、この学年で勉強する内容としては適当と言えるでしょう。
(※イイ意味の方の「適当」ですよ~)

 教える際も、一歩外へ出れば場所によって雨水の流れ方や水たまりのたまり具合が異なる等、多くの実例があるので好都合です。
 家や学校などの屋内でも水槽を用いて比較的安全に実験できそうですから、子どもと一緒に楽しく学べそうですね。

③「人と環境」が6年生に追加

 最後の追加内容は、昨今ちょっとした話題のSDGs(持続可能な開発目標)とも関係した単元で、科学技術や情報技術を活用した環境へのダメージを少なくする工夫について学習します。

 例えば、風力発電や太陽光発電といった環境に優しいクリーンな発電方法があることや、二酸化炭素を出さずに走行できる燃料電池自動車「持続可能な社会」の考え方について等々、沢山あって挙げればきりがない位です。

 6年生最後の学習単元ということもあり、いずれも時間の関係上でそれほど詳しくは勉強できませんが、まぁ子どもに人と環境との繋がりを少しでも感じてもらえたらラッキーくらいなものですので問題ないでしょう(多分)。

 環境については中学3年生でより詳しく学習しますが、近年世界中で(ネガティブな意味で)ホットな話題なだけに、より感受性が豊かな小学生のうちに興味関心を持ってくれると嬉しいですね。

ゆうき塾長
ゆうき塾長

でも、むしろ大人の方が環境に対して無関心な人が多いような……。

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主な移行内容とその詳細

 続いては、元からあったけど学習時期が他の学年に移行した内容について見ていきましょう。
(こちらも主に3つありますので順番にどうぞ)

①「光電池の働き」が6年生に移行

 これまで4年生で学習していた「光電池」6年生へと移行になりました。
(ちなみに読みは「こうでんち」の方が一般的ですが「ひかりでんち」でも間違いではないようです)
 この光電池を沢山くっ付けたものが「ソーラーパネル」で、こっちの方が馴染みのある言葉かもしれませんね。

 これまでは4年生「電気のはたらき」という単元の中で学習し、乾電池と比較した電気の流れ方の違いを確かめるのが主な内容でした。
 しかし、今後は6年生「電気の利用」の単元で、電気をつくる(発電する)方法の一つとして紹介されています。

 流れとしてはどちらでもスムーズに学習できそうですが、もし光電池の発展的な内容まで扱う際には、素材となるシリコンなど半導体についても触れることになるので、その場合は4年生にはかなり難しい内容になるでしょう。
 なので、個人的には6年生へ移行して良かったのではないかと思います。

ゆうき塾長
ゆうき塾長

まぁ6年生でもシリコンとか半導体とかって言われたら「わけ分からん」と思うかもしれませんけど……。

②「水中の小さな生物」が6年生に移行

 こちらは以前まで5年生で学習していた内容ですね。
 どんな生物について学ぶのかというと、ミジンコやミドリムシ、ケイソウなどの水中に住む微小生物が挙げられます。

 5年生では「メダカの誕生や育て方」について学習しますので、そのついでにって感じでしたが、それが6年生に移行されました。

 6年生では「生き物のくらしと環境」という単元で学習しますが、正直そんなに繋がりの深い内容とは思えません。
(むしろ同じ水中生物のメダカの方が関連性がある気がします。メダカの餌によく乾燥ミジンコが使われますし)

ゆうき塾長
ゆうき塾長

あまり文句を言うと文科省に喧嘩売ってるみたいなので、ちょっとこれ以上はゴニョゴニョ……。

 まぁ学習することと言えば微小生物の種類と、動物か植物か、あとはそれぞれどんな姿形をしているか位なので、あまり神経質にならなくても大丈夫でしょう。

③「電熱線の太さと発熱」が中2に移行

 見るからに難しそうな内容ですが、元は6年生に習う単元で2021年度以降は中学2年生へ移行となりました。

 光電池の項目でも挙げた6年生「電気の利用」単元の発展内容でしたが、見た目の通り難しいですし中学2年生で「抵抗(Ω)」について学習しますので、難易度や繋がりを考えたら妥当と言えるかもしれません。
(小学校では電流(アンペア)は習いますけど電圧(ボルト)は軽く触れる程度、抵抗については一切触れませんので)

 それに、6年生の学習内容を見ると総学習時間は変わらないのにも関わらず、「光電池」やら「水中の小さな生物」やらが追加となっていて負担ばかり増えていますので、何かしら単元を削る必要があったんでしょう。

ゆうき塾長
ゆうき塾長

6年生の子どもや先生からしたら

「やってらんねぇよ!」

って感じですからね。

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最後に

 ということで、いかがでしたか?

 2020年の教育改革では英語教育プログラミング教育については頻繁に詳しく取り上げられていますが、今回のような変化が少ない科目については意外と知られていない事が多いです。

 ですが、学習する当の子ども達はもちろん、彼ら彼女らを支える立場にある僕達大人も、こういった細かな事も少しは知っておく必要があると僕は思っています。

 学習内容への理解が子ども達への理解に繋がり、円満な関係を築くきっかけとなれば幸いです。

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