「塾を開業しようと思うけど、人を雇わず一人で始めたい」
と考えている皆さん。
大賛成です。
個人的には、開業は一人で行うのが良いと思っています。
実際、僕は塾の開業に関するブログをいくつも読んできましたが、どれも例外なく一人開業を勧めていました。
一人開業のメリットについては、また改めて記事にしたいと思います
ただ、一人で開業するとなると指導形態や指導方法が限られてくるのも事実。
(指導形態の種類については過去記事をご覧ください↓)
少なくとも、先生と生徒がマンツーマンで行う「完全個別指導」を自分一人の個人塾で実施するというのは無理があるでしょう。
(時間割の各コマに一人しか授業できないとなると、受け入れ可能な生徒数や授業数に限りがありますからね)
となると、一人塾長でも可能な指導形態は
・集団指導
・(一対二以上の)個別指導
・自立型個別指導
本記事では、僕の塾で行われている
「自立型個別指導」
に絞って、その特徴と一日の授業例を紹介していきます。
授業例はモチロン、僕の塾を挙げさせていただきます。
(他塾の授業の流れを勝手に掲載したらダメですからね)
不肖未熟ながら私ゆうき塾長、一人で塾を開業・運営している生き証人ですので、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
自立型個別指導塾の特徴
まずは自立型個別指導について、その特徴を色々な切り口から見ていきましょう。
過去記事でもザックリと特徴を解説しましたが、今回は特に「一人で学習塾運営する上での特徴」に焦点を当ててご紹介します。
事前に過去記事で大まかな特徴を把握しておくとスッと頭に入りますよ。
それでは、どうぞ!
授業内容の特徴
基本的な授業内容は過去記事の方で解説していますので、ここでは一旦そのまま引用しときますね。
主にパソコンを用いた学習教材を使用して個々の生徒が主体的に勉強を進め、講師は生活指導・進路相談などのサポートをメインに行う形態。
教材は映像授業の視聴によるインプット重視の勉強が多いですが、その他に教材のデータベースから教科・単元・難易度を選択して問題プリントを出力・印刷するソフトを用いた演習メインの勉強を行う場合もあります。
要はパソコンを使って
「映像授業の視聴」
「問題プリントの印刷・演習」
などを生徒達が個々人で行うという流れですね。
上記に限らずとも、個々の生徒が主体的・自立的に自ら学習を進めていく授業形態は総じて「自立型個別指導」に当てあまります。
「主体的・自立的」
聞こえが良い代わりに
随分フワッとしてますね。
一見すると
完全に先生は要らない子
のように見えますが、そうではありません。
…そうではありません!(必死)
個々の生徒の進捗管理や軌道修正、質問対応に相談・面談といった重要な役割があるので、集団にまとめて講義形式の授業をするよりも先生の負担は大きいでしょう。
(集団指導には集団指導の大変さがあるので、一概にどっちの方が忙しいとかは言えませんけど)
集団指導の場合は一度に授業ができる学年・クラスが限られるので、どうしても生徒の都合と関係なく授業日が固定されてしまいます。
その点、自立型個別指導の場合は一人ひとりの生徒が時間割上のどの時間に来ても問題ありません。
部活や習い事などで通塾できる曜日・時間が限られる子でも無理なく通えるので、入塾機会を逃すこともなく多くの生徒を受け入れできる事が大きな魅力と言えるでしょう。
生徒管理の特徴
先述した通り、個々の生徒について学習の進捗管理をする必要があります。
それぞれ学年・科目・単元が違うから、生徒数が増えると全員の進捗を管理するのは結構大変です。
以前勤めていた塾では50人程いましたが、僕一人で把握できるのはその位が限界でしたね。
通常の個別指導の場合には、複数のスタッフで担当する生徒を分担するケースがよく見られます。
しかし、もし他にスタッフがいるとしても、塾長である自分だけは生徒全員の進捗を把握しておくことが大事でしょう。
なぜなら、管理を分担すると
・常に情報共有しないといけない
・スタッフが休日の時にスタッフの担当生徒が来たら対応できない
といった懸念が出てくるからです。
よって、自分一人で管理できる人数を予め設定しておき、それ以上の入塾がないように人数制限した方が良いですね。
入塾させたい気持ちは分かりますが、指導の質が下がっては元も子もないですから。
(開業してしばらくの間は全く心配いりませんけど…)
また、総生徒数だけでなく同じ曜日・時間に授業を受ける生徒の数についても気を付けなくてはいけません。
いくら生徒毎に時間割を自由に設定できるからといって、一度に把握・指導しきれない人数の生徒が授業に来てしまっては、先生のキャパシティオーバーとなります。
そうなって困るのは、先生以上に生徒の方です。
「分からない問題があるけど、先生が忙しそうにしていて質問できない…」
なんて事があっては
あまりにも生徒が可哀そう
というもの。
身に覚えが無いこともないので、心が痛い…。
自身の管理能力を見極めて、時間割のどこの授業時間でも適切な人数になるよう、常に注意しておきましょう。
スタッフ管理の特徴
冒頭にも述べましたが、開業してしばらくの間は一人で運営するのをオススメします。
その上で、どうしても一人では事務作業・教務作業を処理しきれなくなってきた時には、スタッフを雇うことを検討しても良いでしょう。
目安としては
・同じ授業時間内で約10人まで
・総生徒数で約50人まで
これ以上の人数になったら、スタッフを雇うことを視野に入れると良いですね。
※ただし、個人事業主で従業員を雇う際には手続きや届け出が色々とあって大変ですので、その点はご了承ください。
僕は嫌ですね。
(別にコミュ障だからじゃないですよ~)
スタッフがいる場合の管理は、集団指導や個別指導に比べると難しくはないでしょう。
というのも、集団指導や個別指導では作業を分担すると互いの作業状況を把握できなくなってしまう事が多いですが、自立型個別指導の場合はそうでもないからです。
集団指導のように
「それぞれ別々の教室で板書を交えながら授業する」
というわけでも、
個別指導のように
「それぞれ仕切りのあるブースに分かれて個別に生徒指導を行う」
というわけでもありません。
一つの教室内で採点・机間巡視・質問対応などといった役割を分担することになるので、互いの状況を常に確認できるだけでなく、困っていたら時にはフォローすることも可能でしょう。
その分、スタッフとの連携は難しいですが、一緒に仕事してる感はハンパないですね。
一人で運営するのとはまた違った楽しさがありますよ。
自立型個別指導塾の実例(ゆうき塾長ver.)
続いては、私ゆうき塾長が運営する塾を例に挙げて、実際に自立型個別指導塾で行われている授業の流れを見ていきましょう。
ちなみに、当塾の詳細は塾ホームページに記載されていますので、これから個人塾を開業する予定の方はぜひ参考にして下さい↓
※以降の記事内容は、あくまで当塾が行っている授業の話です。
ほんの一例ですから、全ての自立型個別指導塾が同様の授業を行っているわけではありませんし、これが最適の授業だと言うつもりもございません。
そんな自信過剰ではないので…。
その点だけは、どうかご了承くださいませ。
基本的な授業の流れ
基本的な授業の流れは以下の通りになります↓
①入室・着席
②宿題の提出
③授業開始のあいさつ
④小テストの実施
⑤学習目標の確認
⑥授業開始
⑦学習の振り返り記入
⑧宿題の提示
⑨授業終了のあいさつ
⑩退室または自習
既に学習塾を運営している方なら分かるかと思いますが
特別なことは何一つしてません。
強いて言うなら、授業で「eトレ」という学習ソフトを使用していることですが、これも塾業界では割と有名なので特に目新しさはないでしょう。
期待させて申し訳ない!
「小テスト」というのは、生徒個々人の苦手を克服するための英単語・漢字・計算・重要語句などの問題プリントのことです。
テスト慣れさせることや基礎力を身に付けることは勿論、満点を目指して毎週授業前に実施することで通塾意識を高める狙いもあります。
「学習の振り返り記入」というのは、僕がExcelで作った「振り返りシート」に授業の振り返りを書くことです。
当日の授業でできたこと・できなかったこと・その他感想などを記入して、次回の目標設定に活かす他、生徒とのコミュニケーションをとる為のツールとして使用しています。
授業で使用している「eトレ」については、以下のホームページに詳細が載っていますので、興味のある方はご覧ください。
定期テスト前の授業
当塾の種類は目的・内容別で考えると「総合塾」に分類されるでしょう。
(塾の種類については以下の過去記事を参照ください↓)
個人で多くの生徒を集客するには総合塾が無難ですね。
(※個人の能力や実績、教育観によっても最適な種類は変わりますので、あくまで一般論として聞き流して下さい)
ということなので、当塾では学校内容の復習や受験指導だけでなく、学校の定期テストに向けた対策も行います。
(生徒の目標や現状の学力次第ですけど)
具体的には
【テスト2週間前】
(テスト範囲が発表される頃)
塾の授業でテスト範囲までの学習を一通り終わらせる
【テスト1週間前】
(部活が停止になる頃)
学校ワークを終わらせて、弱点単元の問題演習をする
【テスト直前】
(生徒が焦る頃)
塾用テキストのテスト対策・予想問題を解く
※生徒の状況によっては、上記の流れで授業を行うのが適さない場合もあるので注意して下さい。
特に、テスト直前まで学校課題のワークをため込んでしまう生徒が多いです。
そういった生徒には、頻繁に声掛けをしてワークの進捗を随時確認し、場合によっては(半)強制的にでも塾へ自習に来るよう指導するのが良いと思います。
家だと直前までワークやらないですからね。
季節講習会中の授業
春休み・夏休み・冬休みの長期休暇には講習会を行う塾が殆どでしょう。
というのも、通常の授業だけでは週1~2回の通塾になる生徒が殆どで、学校が休みの日数と比べて塾で勉強する日数が少な過ぎるからです。
(まぁ家で勉強できる子なら別に講習会とか受講しなくてもいいんですけど…)
そんな真面目な子が塾に通っている確率は限りなく低いですからね。
集団指導であれば、学年やクラスによって予め日程を決めておく必要がありますが、それでは部活や習い事などの関係で受講できない子もいるでしょう。
しかし、当塾のような自立型個別指導や個別指導であれば、個々の予定に合わせて授業のスケジュールを組めるので心配いりません。
当塾では、通常の授業とは別に講習会の授業を追加で受講していただき、追加した授業数に応じて費用を頂戴します。
強制ではなく任意ですけど。
(塾によっては強制であったり、年間の費用に含まれていたりもしますね)
通常の授業とは異なる科目を受講でき、個別に学習目標や内容を設定するので、かなり自由度が高いです。
講習会用の薄めのテキストも別途配布し、長期休暇の間に全て解き切る事を目標とします。
ぶっちゃけ多くの自立型個別指導や個別指導の塾も、当塾と似たようなシステムになっているのではないでしょうか?
最後に
というわけで、いかがでしたか?
繰り返しになりますが
上記の授業は一例に過ぎません。
たとえ僕にとっては現状考え得る最高の授業方法であっても、これから開業する皆さんにとっても最高である保証は無いです。
参考にはして欲しいですが、
妄信して欲しくはないですね。
何より、自立型個別指導には様々な授業の流れが考えられ、多くの可能性が眠っています。
どのような授業にしたいのか、自分の理想に思いを巡らせるのも一人塾長の醍醐味でしょう。
当塾の授業例に縛られて、その醍醐味が失われてしまうのは非常に申し訳ない!
これから塾を開業する皆さんには、それぞれに子ども達の成長を願う気持ちがあるかと思います。
その気持ちを大切にして、是非とも自分が本当に望む塾の形を実現して下さい。
この記事が、そのための一助となれば幸いです。
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