皆さんは「起業」や「脱サラ」、「独立開業」とかって聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
僕は第一に「何か大変そう」でした。
しかし、実際に調べて開業してみた感想は
あれ?
思ってたより楽
じゃん。
そう、日本人はサラリーマン志向が強い国民性で、異常なまでに起業のハードルを高いものだと思い込んでいます。
ですが、きちんと下調べさえしておけば、起業とか独立開業というのは何も難しいことはありません。
ということで、今回は主にこれから個人事業主として独立・開業を目指す人に向けて、開業に必要な手続き・書類とその詳細についてお話していきます。
※法人またはマイクロ法人として起業する方は、申し訳ございませんが別のサイトをご参照ください。
もし塾が軌道に乗ったら
僕も法人化を考えます
けどねぇ…。(遠い目)
開業に必要な届け出
さて、開業に必要な届け出ですが、実は個人事業主に関しては多くても2種類しかありません。
この2種類の届け出を、それぞれ定められた期間内に納税地を所轄する税務署へ提出するだけです。
(「納税地を所轄する税務署」とは、自分が普段住んでいる市町村にある税務署のことで、国税庁HPから検索できます)
それでは、2種類の届け出について順に詳細を見ていきましょう。
個人事業の開業・廃業等届出書
ムダに長い名前で思わず尻込みしてしまいそうですが、いわゆる「開業届」ってやつですね。
(廃業する際の「廃業届」も兼ねているので長い名前になっているみたいです)
提出の仕方としては、大きく以下3パターンから選べます。
①納税地を所轄する税務署へ行って用紙を貰い、その場で記入・提出する。
②国税庁HPよりPDF書式をダウンロード・印刷した上で記入・提出する。
③国税庁が提供する「e-Taxソフト」を使用して作成・送信する。
記入方法などを調べるのが面倒な場合は、税務署へ行って職員の人に書き方を聞きまくるのが一番手っ取り早いですね。
職員の人にはメチャ
クチャ嫌な顔される
かもしれませんけど…。
また、③の「e-Taxソフト」は後述する「青色申告65万円控除」で電子申告する際にも使用しますので、僕は後々のことを考えて③で提出しました。
※ただし、ソフトを使用するには「利用者識別番号」や「電子証明書」を取得しなければならなくて、提出するまでに結構な時間がかかりますのでご覚悟ください。
届け出の提出期限は「事業の開始等の事実があった日から1か月以内」となっています。
「事業の開始等の事実があった日」というのが堅苦しい表現で分かりにくいですが、まぁ要は「自分が開業日だと決めた日」と考えて問題ありません。
(僕の場合は「初のチラシを新聞折込した翌日」を開業日としました)
所得税の青色申告承認申請書
この申請書は、年度末に行う所得税の確定申告で「白色申告」をする場合は不要です。
(確定申告の種類については後述します)
ただ、これを記入・提出したからといって必ず「青色申告」をしないといけないわけではありません。
(「白色申告」でも「青色申告」でも自由に決めてOKです)
逆に、これを提出しなかったら「白色申告」しかできません。
なので、開業して間もない時期で既に赤字確定という場合を除き、とりあえず提出しておくことをオススメします。
そんな早くに赤字確定
する状況は想像したく
ないですね…。
開業届と同様に①~③の方法で提出できるので、忘れないように開業届と一緒に提出するのが良いですよ。
申請書の提出期限については
開業日が1月1日~1月15日の間
→3月15日まで
開業日が1月16日以降
→開業日から2か月以内
となっています。
まぁ後回しにして得な事は何一つ無いから、なるべく早めに提出するよう心がけましょう。
確定申告の種類
開業に必要な手続きは以上です。
特に①の方法なら、大体小一時間あれば完了するくらい手軽に行えますね。
(税務署が混んでいなければですけど)
このように、開業時の手続きは想像よりもずっと簡単なのですが、その後個人事業主にはもっと面倒な作業があります。
毎年の年度末に行う
「確定申告」です。
新聞やニュース等で一度
は耳にしたことがあるの
ではないでしょうか?
これは、一年間の所得(収入から必要経費を差し引いた金額)を国に報告するもので、所得税や住民税などの金額を決めるために必要となります。
会社員の場合は、会社が所得の計算・手続きを全部やってくれていましたが、個人事業主は自分で行わなければなりません。
しかし、ややこしい事にこの確定申告、何と4種類もあります!
なぜこんなに種類があるのかというと、事業による収支の記録をどれだけ詳細に行ったかによって、所得から差し引く(控除される)金額が変わるからです。
収支の記録を詳細につければつける程、所得から控除される金額が増えて、その分だけ所得税や住民税が減ります。
要は「頑張って帳簿付けしたら税金安くしてあげるよ♪」という、国からのサービスみたいなものですね。
確定申告については他のサイトで詳しく解説されていますので、ここでは何となく分かる程度にザックリと見ていきましょう。
白色申告
一番簡単なやつですね。
一つ一つの収支を全て書き記す必要が無く、日々の合計収支だけを記した簡易的な記帳のみでOKというものです。
(ちょっと難しい家計簿くらいのレベルかな?)
この場合、国からのサービス(控除)は得られません。
高所得者を除くほぼ全ての
納税者に与えられる
「基礎控除」(48万円分の
控除)はありますよ。
開業初年度とかで収入が48万円以下の場合は、この「白色申告」でも損をすることはないです。
(むしろ記帳が簡単だから、日々の会計業務が楽になります)
ですが、いつかは収入が増えて「青色申告」をするという方が殆どだと思いますので、早い内に「青色申告」に慣れておいた方が良いでしょう。
(というか、そうじゃないと困りますよね)
青色申告10万円控除
ちょっと記帳が難しくなります。
単式簿記(一つひとつの収支をいくつかの帳簿に記すこと)で所得の計算をした上で、「損益計算書」というものを作成・提出しなければなりません。
その分だけ国のサービスが良くなって、基礎控除にプラスして10万円分の控除が受けられます。
※別に丸々10万円分だけ得になるわけではなく「10万円の所得にかかる税金の分だけが得する」ということです。
ややこしいんで、単純に
「ちょっと得する」程度
の理解で大丈夫ですよ。
僕もそんな感じなんで。
青色申告55万円控除
さらに記帳が難しくなり、作成する書類も増えます。
複式簿記(簿記3級で習う仕訳方法で収支を沢山の帳簿に記すこと)で記帳し、「損益計算書」の提出に加えて「貸借対照表」というものも作成・提出しなければなりません。
ここまでくると自力で帳簿を作成するのは困難になってきますので、何らかの「会計ソフト」を利用するか税理士に依頼した方が良いでしょう。
しかし、その代わりに控除額は55万円と一気に増額されます。
国もなかなか気前が良い
ですね。
青色申告65万円控除
こちらは、上記「55万円控除」の条件に加えて「電子申告」または「電子帳簿保存」を行わなければなりません。
「電子申告」というのは、開業届の項目で触れた「e-Taxソフト」を用いて確定申告を行うことで、この方法だと税務署へ行ったり郵送する必要がありません。
僕はこの為にe-Taxソフト
をダウンロードしました。
開業届も自宅でポチッと
送信できて便利でしたよ。
「電子帳簿保存」というのは、事前に申請をした上で帳簿(仕訳帳や総勘定元帳など)や決算書類、取引関係書類を電子データで保存することです。
電子データなら何でもいいというわけではありませんが、法改正により徐々に条件が緩和されていっていますので、今後は紙の領収書などを保管することがなくなってくるかもしれませんね。
最後に
以上、開業する際に必要となる手続き・届け出と合わせて、毎年の年度末に行う確定申告についても紹介しました。
開業には
「個人事業の開業・廃業等届出書」
(いわゆる「開業届」)と
「所得税の青色申告承認申請書」
(「青色申告」を行う場合のみ)
の2つあれば十分であり、大体一時間あれば手続きが終了するような内容です。
慣れない確定申告の作業に、開業して数年の間は年度末にバタバタして大変かもしれませんが、今まで想像していたよりも開業のハードルは低く感じたのではないでしょうか?
現状の仕事に不満がある方、個人事業主としてステップアップしたい方、起業に挑戦したい方。
この記事が人生を好転させる一助となれば幸いです。
コメント