名言から学ぶ39 ~ブルーピリオド~

名言の泉 名言の泉

「知識ってすごいな。ちゃんと見てたはずなのに、全然 見えてなかった気さえする」

by 矢口八虎
(「ブルーピリオド」より)

 漫画アニメの名言を紹介する「名言の泉」第39弾!

 今回ご紹介するのは、月刊アフタヌーン連載の漫画でテレビアニメ化舞台化実写映画化した青春群像劇「ブルーピリオド」の主人公にして、藝大(東京藝術大学)の学生である矢口八虎の台詞です。

 皆さん、敢えて聞きますが

勉強は好きですか?

 うんうん、僕の幻聴がよぉ~く聴こえてきます。

 そうですかぁ~ナルホドね

嫌いですか。

 ――とまぁ僕の偏見と妄想では、おそらく小中学生・高校生ともに十中八九は勉強が嫌いだろうと思っていたのですが、どうも実際は随分と様子が違うようです。

 ちょっと古いですが、ベネッセ教育総合研究所が2015年・2016年に全国の小学1年生~高校3年生とその保護者(計21,485組の親子)を対象に実施したアンケートでは↓

【勉強が好き】
小学生…64.8%
中学生…45.3%
高校生…39.4%

【勉強が嫌い】
小学生…29.9%
中学生…53.3%
高校生…59.6%

って感じで、意外にも半分前後の小学生~高校生は勉強が好きとのこと。

(とはいえ、あくまでも“勉強に関するアンケートに答えようという意欲のある家庭”を対象にした結果なので、そのまま日本全国の平均にはならないでしょうけど)

ゆうき塾長
ゆうき塾長

ひねくれてますかね?
いや ゴメンナサイね
めんどくさくって。

 でも、あくまで僕自身の体感なんですけど、学習塾に通う理由・きっかけの大半が

「親に言われて(仕方なく)」

という現状を見ていると、なかなかに勉強って嫌われてるなぁと思います。

(いや、もちろん勉強が好きって子もいますよ、うん)

 まぁ好き嫌いは誰にでもありますから、それ自体は仕方ないですし、好きになるべきとも言えません。

 ただ、これは塾講師として断言しますが

勉強が嫌いなのは別に良いが、勉強しなくても良いとは思わない

ゆうき塾長
ゆうき塾長

勿論、勉強が好きなら
それに越したことはない
ですけどね。

 個人的な思いとしては、勉強が嫌いだからって勉強をしなくても良いと考えるのは、ちょい浅いというか非常に勿体無いなーと。

 というのも、これは勉強する前と後を比較して初めて実感することなんですが

見える・感じる世界が全く違う

 過去記事で詳しく解説していますが、人間は勉強を通して様々な知識を得ることで、広く世界を知ることができます

 それによって、多様なモノの見方や価値観を理解することができ、自分の人生をより豊かに過ごせるわけです。

 例えば野球観戦をするにしても、野球に関する知識があるのと無いのとでは、その人が感じる”楽しい”の質は全く異なります。

 確かに、野球のルールを全く知らなかったとしても、あわや逆転されそうな場面でのスーパープレーには心惹かれるものがあるでしょう。

 軽快な走りによる盗塁や、豪快なスイングからの場外ホームランに、めちゃくちゃテンションが上がるのも分かります。

 しかし、それは言うなれば

「なんか打ったり捕ったり走ったりがスゲー」

といった、そんなフワッとした感動です。

ゆうき塾長
ゆうき塾長

いや、まぁ別に
それがダメって
訳じゃないです
けどね。

 もっと具体的な場面で考えてみましょうか。

 1点ビハインドの9回表、ワンアウト1・3塁、ワン・エンド・ツーの場面なんてどうでしょう。

 野球に詳しくない人が聞いたら、もう既に呪文のような状態ですが、ようするに勝つか負けるかの分岐点みたいな状況です。

 こんな時、よく分からずに観戦している人の関心は非常にシンプルで

打つか打たないか

その一点に尽きます。

 ですが、それなりに野球の知識がある人であれば、関心を抱く箇所とその数は全く異なるでしょう。

 バッターの打率は?
 内野・外野の守備位置は?
 一塁ランナーは盗塁する?
 ここはスクイズかも?
 いやヒットエンドランか?
 それとも犠牲フライ狙い?

 攻撃と守備それぞれの戦略・思惑や駆け引きを考察して、色々な可能性を想像することでしょう。

 時には予想通りの結果に満足し、時には思いがけない展開に興奮する。

 同じようにテレビの画面越しに試合を見ているだけなのに、まるで見ているものが違うかのように感じられる、この差は何なのか?

 ちゃんと集中して試合を見ていないとか、集中力や想像力が足りないとか、そんな理由ではありません。

知識の有無です。

 前提・土台となる知識があるかないかで、同じ野球観戦でも“楽しい”のポイントや質はガラッと変わります。

ゆうき塾長
ゆうき塾長

偉そうに語ってますが、
僕の野球に関する知識も
怪しいもんですけど…。

 これは、何も野球などスポーツに限った話ではありません。

(今回ご紹介している「ブルーピリオド」の場合は、主に美術・アートの視点で語られていますし)

 同じ世界で生きているのに、まるで自分とは違う世界を生きているかのように錯覚する、そんな人を見た・会ったことはありませんか?

 それは、今までに経験してきたことが違うからと考えることも出来ますが、同時に学んできた知識の量が違うからとも考えられます。

 学校の勉強に限った話ではありませんが、学びによって得られる知識の有無や量によって、あらゆるものから得られる充実感は大きく異なるでしょう。

 何も知らずに見る世界と、知っていて見る世界。

 皆さんは、どちらの世界で生きていきたいですか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました