「会社勤めは性に合わない、個人で稼ぐ!」
という、将来的に個人事業主・フリーランスを志している皆さん。
屋号って考えてますか?
(画家や文筆家、芸能関係者の場合は「雅号」ですが、ここでは「屋号」で統一させていただきます)
個人で働く以上、屋号は自分の顔に次ぐ『第二の顔』となる大切なものだけに、そのネーミングに悩む方も多いでしょう。
そこで、この記事では前半で「屋号についての詳細や屋号の決め方」について、そして後半には不肖ながら私ゆうき塾長の屋号を実例として取り挙げていきます。
妄想が先走った結果、子どもの頃の黒歴史ならぬ「大人になってからの黒歴史」なんてことにならないよう、想いは抱きつつも冷静・慎重に考えましょう。
大人だと「青春」で済ませられないですからね。
屋号の意味と屋号付き口座
まずは「屋号」について、基本知識から少し詳しい内容まで解説していきます。
「店の名前」のことでしょ?
それだけ知ってれば十分だろ。
自分の屋号を決める際には知っておいた方が良いことも結構あるんですよ。
屋号とは?
屋号とは個人で仕事をする際に名乗る事業や店舗の名前のこと。
似たようなものに「雅号」や「商号」というものがありますが
「雅号」は冒頭でも触れた通り画家や文人、書家、芸能関係者が本名以外に付ける名前のこと。
(ペンネームや芸名など、個人の別名をひっくるめた呼び名ですね)
「商号」は一般的に法人が会社に付ける名前のことを言います。
商号は屋号と違い法務局への登記が必要で、ネーミングに様々なルールがあって面倒に感じる方も多いでしょう。
話がややこしくなるんで
ここでは触れませんけどね。
じゃあ屋号はどうかというと、実は割と自由に決めることができて、平仮名・片仮名・漢字といった日本語に加えてアルファベットや英語表記もOKです。
ただし、それでも少しばかり注意点があります。
例えば、商標登録されている名前と全く同じ屋号にしてしまうと、商標権の侵害により損害賠償を請求されてしまう危険性があるので気を付けましょう。
(まぁ商標登録するような大企業が、実害の無い弱小個人事業主を相手に訴えるとは思えませんけど)
※商標登録されているかどうかは「J-PlatPat(特許情報プラットホーム)」で調べられます。
その他には
「●●会社」
「●●法人」
「●●銀行」
「一般社団法人●●」
などといった、法人や特定の業種と誤認してしまう恐れのある屋号は完全アウトです。
まぁ見栄を張ってカッコつけ過ぎなければ大丈夫でしょ。
屋号の変更・後から付ける事について
開業届や確定申告書には屋号を記入する欄があります。
(開業届や確定申告については別記事で解説してありますので、まだ読んでいない方は是非ご一読下さいませ)
ですが、じゃあ書かないといけないかと言うと、別に書かなくても問題ありません。
また、開業届に記入した(もしくは空欄にした)屋号は、以降の確定申告時に記入する屋号へ変更(後付け)することができます。
なので、そもそも屋号が必要ない人や屋号を公開しない人は、焦って無理に決めなくても大丈夫です。
店に看板を立てたりチラシで宣伝したりする業種の場合は、屋号が無いと詰みますけどね。
しかし、たとえ必要はなくても、屋号があって損する事は殆どないでしょう。
むしろ、個人名のみで活動するよりも安心や信頼を得られやすいというメリットもあります。
ただ、一度名付けたからには安易に変更することはオススメできません。
なぜなら、既存の客が混乱しますし、それまでに築いてきたネームバリューがリセットされてしまうからです。
屋号が変更できることは頭の片隅に置いておく程度にして、決めるからには一生その屋号で貫き通すくらいの覚悟を持った方が良いでしょう。
逆に、詐欺業者はネームバリューをリセットする為に商号をバンバン変えるらしいですね。
う~ん、流石ずる賢い…!
屋号付き口座のメリット
社会人であれば、最低でも一つは銀行口座を持っているでしょう。
企業に勤めるビジネスパーソンの方は、給料の振り込みやプライベートでの使用を同じ口座で行っていても、何の不都合もありません。
でも、こと個人事業主にとっては、事業用とプライベート用とで口座を分けておかないと年度末の確定申告を作成するのが非常に煩雑になってしまいます。
そこで、少し詳しい方の中には
「どうせ事業用の銀行口座を開設するのなら屋号付き口座にしたい」
と考える人もいるのではないでしょうか?
ヤゴウツキコウザ…?
フツーはそうなりますよねー。
屋号付き口座とは、口座名義が「屋号+個人名」となった銀行口座のこと。
(金融機関によっては「営業性個人口座」とか「ビジネス口座」と呼ばれています)
メガバンクだけでなく都市・地方銀行やネット銀行でも開設することができますが、通常の口座と比べて開設が少々面倒です。
開設に必要なものは
・本人確認書類
・開業届や確定申告書のコピー
・事業概要が確認できる書類
・印鑑(シャチハタ不可)
あたりが一般的で、開設まで一週間程度かかる場合もあります。
(銀行によって一部異なりますので、詳しくは各銀行のHPや窓口で確認して下さい)
この屋号付き口座を持つことのメリットは大きく2つあって
①事業用として使用することで確定申告書の作成が楽になる
②個人名だけよりも見栄えが良く顧客に安心感を与えられる
という感じです。
一方、デメリットは先述の通り開設が少し面倒なことくらいです。
開業届か確定申告書が必要なので、どうしても開業後にしか口座開設できないのもネックですかね。
それでも、メリットを考えると屋号付き口座を選ぶ余地は十分にあります。
多くの方は事業を始める際には事業用の銀行口座を開設すると思いますので、その時には是非この屋号付き口座を検討してみてはいかがでしょうか?
屋号の決め方
さて、それではいよいよ本題です。
「第二の顔」であり「第二の名前」とも言える屋号、一体どうやって決めたらいいのか悩むという方が殆どではないでしょうか?
子供の名前を決めるくらい悩みますね。
(未婚ですけど)
それでは、以下で屋号を決める際に注意すべきポイントを4点、順番に見ていきましょう。
事業内容が分かりやすい
屋号を見ただけでどんな事業なのか大体分かる事が望ましいですね。
逆に、屋号を見てもどんな事業なのかが分からなかったらどうでしょう。
ミステリアスというか謎の組織って感じがして
ちょっと怖くないですか?
(少なくとも、街を歩いてる時に見かけてもフラッと立ち寄ろうとは思わないはずです)
何の店か想像もできないような屋号にして気を引こうとか、そんな奇をてらう必要は全くない。
何かしらの思い入れがあるのなら別ですけど。
オリジナリティーを加えて差別化を図りたいのなら、前後に事業の内容が分かるような言葉を添えましょう。
例えば、学習塾だけど「ジャスティス」という屋号にしたいのなら、少なくとも
「学習塾 ジャスティス」
とか
「ジャスティス塾」
とかって言葉を添えないと
全然意味が分からない。
もう
「ジャスティスって何だよ!」
というツッコミ待ちなのかと思いますよ。
でも有名な企業って
意味が分からない屋号
が多くない?
それは有名な大企業だから許されることであって、これから個人事業主として始める人にはハードルが高過ぎます。
レベル1のゲーム開始時からバッドステータスの状態異常持ちでプレイするようなものなので、どうしても思い入れのある名前でない限りは、屋号として使用するのは避けた方が無難でしょう。
検索しやすい・上位表示されやすい
皆さんは気になるお店を見つけたら、まずどんな行動に出ますか?
「突撃!隣の晩ごはん」のノリで、いきなり入店します?
これは年齢がバレそう…。
(自己紹介で言ってますけど)
恐らく、そういった行動力お化けの方は決して多くはないでしょう。
とりあえず
スマホやパソコンでググりませんか?
(それかヤフる)
長過ぎたり複雑過ぎる屋号だと、検索するのが面倒になって止めてしまうかもしれません。
また、屋号と似たような言葉があって、屋号で検索しても上位には全く関係の無いサイトがズラッと並んでいたらどうでしょう。
「もういいや」
こんな風に諦めてしまっても仕方無いと思います。
(わざわざ下にスクロールしてまで調べるのは稀ですね)
知ってすぐの段階では大して興味も無いですから…。
なので、屋号を考えたら、その屋号を検索して他に似た言葉が上位表示されていないかチェックすると良いでしょう。
省略できて覚えやすい
漫画やアニメでタイトルが長い作品って、略称があることが多くないですか?
例を挙げ始めたらキリがないし、オタク感が溢れ出るので割愛しますけど。
仲の良い友達を愛称・あだ名で呼ぶように、本来の名前を馴染みやすいものに変えて呼び合うのは、親密度を高めるのに効果的です。
それに、単純に覚えやすくなって周囲からの認知度も高まるでしょう。
ただ屋号が長いだけだと、前述したように検索のハードルが上がってしまいますが、略称があれば解決する場合もあります。
検索しやすいだけでなく、略称はそれ自体に意味のある言葉ではないので、類似する言葉が少なく検索で上位表示されやすいのです。
略称は自分から発信していかないと意図通りには中々広まりません。
なので、屋号を考えたら直後に略称も考えて、広告・宣伝の際にはあわせて伝えていくのが良いでしょう。
もとから短くて呼びやすい屋号なら、略称が無くても大丈夫ですよ。
屋号に適した画数(?)
これはネットで調べたら出てきたので、ついでに挙げてみただけですね。
正直、僕はこういったスピリチュアルというか非科学的なものは一切信じていません☆
まぁゲン担ぎみたいなものなんで、これで気持ちが高揚してポテンシャルを最大限に発揮できるようになるのなら、画数を気にしてみるのも良いのではないでしょうか。
プラシーボ効果
みたいなもんだと思ってます。
個人事業主の屋号・実例紹介
続いては、実例として私ゆうき塾長が経営する塾の屋号を紹介します。
あらかじめ断っておきますが、個人的に当塾の屋号は非常に気に入っておりますが、上記のポイント4点を全て満たしているものではございません。
というか、実際にはそんな屋号・商号の方が珍しいでしょう。
それは、自分が考える理想の屋号と広告戦略的に理想の屋号とは、どうしても完全には一致しないものだからです。
その点をご了承いただいた上で、どうぞ過度な期待はなさらずにご覧ください。
ゆうき塾長の屋号
では早速ご紹介します。
当塾の屋号はコチラ↓
長っっ!!
ま、まぁ
ちょっと聞いて下さいよ。
僕の塾は自立型個別指導の形態をとる学習塾です。
(学習塾の指導形態については以下の記事で説明しておりますので、興味があれば是非ご覧くださいませ)
というわけで、ちゃんと指導形態が分かるよう頭の部分に文言を持ってきたわけです。
そりゃあ、このままだと確かにメチャクチャ長くて大変ですよ。
郵便で屋号を書く時とか
正直ダルイですし…。
でも、普段は略称として
「カレッジ」
もしくは
「寺子屋カレッジ」
と呼んでいますので、頭部分の文言は単に
「自立型個別指導を行っている学習塾」
ということを知らせるためのものです。
ですので、一応は上記のポイントの半分くらいは満たしてるから、個人的には広告戦略的に見ても合格点だと思っています。
屋号の意味
この屋号には3つの意味が込められており、塾ホームページ内の「講師紹介」ページに詳細が記載されていますので、屋号を考えている方はぜひ参考にしてみて下さい。
(このブログにコピペしたらGoogle先生に怒られちゃうので…)
屋号についての所感
概ね気に入ってるんですが、一つだけ
「やらかしたぁ~!」
って思っていることがあります。
全体的に長いことは置いといて。
実は、開業してから改めて「寺子屋カレッジ」で検索してみたんですよ。
(エゴサーチってやつですね)
そしたらなんと
「寺子屋カレッジ」って既に使われてたんですよね。
しかも相手は一般社団法人ときました。
もう
検索結果で惨敗
です。
まぁそれでも
「寺子屋カレッジ」
で検索したら上から2番目に表示されますし
「穴水町 寺子屋カレッジ」
で検索したら1番目に表示されるから、大きな問題にはなってませんけどね。
※学習塾の場合は「地名+塾名」で検索されるパターンが多いのでセーフ(?)
改めて、決定する前に検索して上位表示のサイトを確認することの重要性を感じました。
完全に自戒の意味を込めて記しております。
最後に
さて、いかがでしたか?
屋号は自分にとって
「第二の顔」
「第二の名前」
とも言える、個人事業主にとって切っても切れない関係であり、思い入れ・愛着が感じられる名称にしたいと誰もが考えることでしょう。
それだけに、一朝一夕で屋号を考えて決めることは中々できません。
しかし、どれだけ悩んだとしても
最終的に決めるのはあなた自身。
上記のポイントはあくまで参考程度に留めていただき、自分が十分に納得した上で自信を持って宣伝できるような屋号が一番です。
この記事が、屋号の決め方に悩んでいる人の助けになれたら幸いです。
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