学習塾における教室内で、最も占有面積の割合が大きなもの、即ち
最も場所をとっているもの
は何だと思いますか?
そう
生徒用の机ですよね。
ざっと教室面積の50%
近くは占めてるんじゃ
ないでしょうか?
また、生徒達が教室内で一番長い時間使用する備品でもあります。
それだけに、生徒用の机は教室のレイアウトや雰囲気だけでなく、生徒の学習環境の良し悪しにも大きく関わってくる重要な存在と言えるでしょう。
ただ、どんな机が塾の授業に適しているかは、塾の指導形態や講師の指導スタイルによって異なります。
(塾の指導形態については以下の記事でご確認ください↓)
授業のことを何一つ考えず
「何となく塾っぽいから」
なんて理由で選んだら、いざ開業した後に困ることになるかもしれません。
とは言っても、これまで塾業界に関わりが無かった人には
そんなこと言ったって、
どんな机が良いかなんて
分かんねーよ!
って感じですよね。
そんなわけで、この記事では塾開業を志す方々に向けて「塾で使用する生徒用机の種類と特徴」について解説していきます。
塾の個性にあわせた机を選ぶことで、講師が授業をしやすく、生徒が勉強に集中しやすい環境を整えましょう。
塾で使用する生徒用机の種類と特徴
はじめに断っておくと
「塾はこんな机を使わないといけない」
という決まりはありません。
極論、どんな机でも生徒達が集中して勉強できればいいんです。
ここで紹介する机のチョイスはあくまで一般論として、よく塾で使用されているものという意味ですので、その点どうかご了承ください。
ここで紹介したもの
じゃないとダメって
ことはないですよ。
とは言え、自分の趣味で極端に奇抜なデザインの机にすると、生徒達が勉強に集中できなくなる恐れがあるので正直オススメできません。
なるべく勉強に支障が出ない机を選ぶためにも、ぜひ以下で紹介する机の種類を参考にして下さい。
それでは、どうぞ!
折りたたみテーブル・スタッキングテーブル
一つの机に2~3人が座れる長机(長テーブル)で、特に集団指導の塾で使われているイメージが強いですね。
塾ではイベント毎に机の配置を頻繁に変えるので、折り畳めて収納や持ち運びに便利なものを使用することが多いです。
折り畳める部分の違いで、大きく2種類に分けられます↓
脚部分を折り畳める「折りたたみテーブル」
(「会議用テーブル」とか「フォールディングテーブル」とも記載されますのでご注意下さい)
天板部分を跳ね上げて折り畳める「スタッキングテーブル」
スタッキングテーブル
の方は、押して運べる
ようにキャスター付き
の物もありますね。
いくつかサイズがありますが、大体
幅:1200mm~1800mm
奥行:450mm~600mm
高さ:700mm前後
以上の範囲内でしょう。
奥行は最小の450mmでも違和感なく使えますので、あまり長いものにしなくても問題ないと思います。
僕の塾で使ってる机も
奥行450mmですが、
生徒からも不満は出て
ないですね。
注意すべきは幅です。
前述の通り集団指導の形態をとる塾で使われることが多く、一つの机に複数人座ることが想定されます。
一つの机に2人座るなら1500mm以上、3人座るなら1800mmの長さは必要でしょう。
(あまり狭いと窮屈に感じるだけでなく、一定の距離が保てず感染症予防の観点からも好ましくないですから…)
その他、天板部分の色や柄も何種類かあったり、棚付き・棚無しの違いもあります。
こちらは生徒の満足度に直結しませんので、塾の雰囲気や好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
棚付きは便利ですけど、
生徒が忘れものする確率
がマジで跳ね上がります
から注意して下さい。
学校机・研修用デスク
誰もがご存知の学校机は、先程の折りたたみテーブルとは違って天板が短い一人用の机です。
似たような仕様で研修やセミナーに使用される「研修用デスク(一人用)」も、学習塾でよく採用されていますね。
長机よりも個々のスペースが確保され、周囲に気が逸れにくいというメリットがある一方、より台数が多く必要になり費用がかさむというデメリットもあります。
まぁ単純に2~3倍の費用
とはなりませんけどね。
特に学校机は意外と高い!
(見た目ちゃっちい素朴な感じで高価なものには見えないですけど…)
何やらJIS規格によって強度や安定性、耐久性などの基準が定められているようですので、その辺の机よりも長く安心して使えるでしょう。
サイズは学校机・研修用デスクともに同じくらいで、おおよそ以下の範囲に収まります↓
幅:600mm~750mm
奥行:450mm~500mm
高さ:700mm前後
学校机の方は幅600mm~650mmのものが殆どですが、気持ち手狭に感じるかもしれません。
長机のように集団指導で使われることが多いですが、教室が小さくても配置を変更しやすいので、個人塾や小規模の個別指導塾では指導形態に関わらず広く使用されています。
1台あたりの重さは
10kg程度ですので、
比較的移動させ易い
ですね。
(研修用デスクの中にはキャスター付きのものもありますので、10kgがキツイという方は是非ご検討ください)
パネル付きデスク
個別のブースになるようパネルで仕切られた机で、多くの個別指導塾で使用されています。
(「ブースデスク」とか「キャレルデスク」など、いくつか名称があるみたいですね)
パネルの形状はT字型・L字型・コの字型など様々ですので、教室のレイアウトに合わせて選ぶと良いでしょう。
前述した学校机・研修用デスクよりもさらに個々の空間がしっかりと確保され、生徒に安心感を与えられます。
また、周りを気にせず自分の勉強に集中しやすいため、自習室の机としても最適です。
生徒同士の私語も多少は
防げますよ。多少は。
しかし、パネルで仕切られるのは良い事ばかりではありません。
というのも、指導や質問対応の際、パネルが邪魔になって講師の立ち位置が限定されてしまうからです。
パーソナルスペースやスティンザー効果を考慮すると、まだ信頼関係を築けていない生徒相手に真横から話しかけたり、あまり近づいて指導すると不快感・恐怖感を与えかねません。
(パーソナルスペースやスティンザー効果については、以下の記事で詳細をご覧ください↓)
また、他にも問題があります。
それは価格と重さ。
モノにもよりますが、相場としては先程「高い!」と言った学校机よりさらにもう一回り高値の傾向です。
開業時期の出費としては
最高レベルの金額になる
と思いますよ。
そして重い。
ハンパなく重いっっ!
その重さたるや
一座席あたり約30kg!
一番デカい米袋いっぱいの米と同じ重さですよ?
小学3~4年生の平均体重と同じ重さですよ?
これでは
「ちょっと教室の模様替えしよっかな♪」
とか言って気軽に机の配置換えしようとは微塵も思えません。
仮に教室移転することになった場合、運搬するのも非常に困難です。
購入を検討する際には、将来的なことも十分に考慮した方が良いでしょう。
何事も開業計画の通り
とはいきませんからね。
※ここでの価格・重さは「パネル一体型の机」の話です。
机は前述の学校机・研修用デスクなど一人用の机として、デスクパーテーションや大きめの自立式パーテーションで机の間を仕切るという方法もあります。
この方法であれば、工夫次第では価格・重さの問題が若干軽減できる可能性がありますので、特に個別指導を予定している方には一考の余地があるのではないでしょうか。
最後に
というわけで、いかがでしたか?
教室に占める面積が最も大きいであろう生徒用の机は、教室の雰囲気や生徒達の集中力を左右する重要な備品です。
また、講師の指導スタイルや塾の指導形態との相性もあるため、購入の際は慎重に選ぶ必要があるでしょう。
種類や台数にもよります
けど、意外とインパクト
のある出費ですからね。
学習塾を開業する予定の読者の方々には、当記事を参考にして自身が思い描く理想の教育に相応しい机を購入し、日々の指導に邁進いただけたら幸いです。
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