これから学習塾を経営しようと考えている皆さんの中に
「塾講師は指導力が何より大事!」
そう思っている方はいませんか?
うんうん、確かに授業が分かり易いこと・教えるのが上手いこと等はとても大事ですよね。
子供達から
「なるほどぉ~!」
「分かりやすーい!」
なんて言われた時には、得も言われぬ快感で天にも昇る心地ですよね、分かります。
「塾講師やっていて
良かった」って思う
瞬間の一つですね。
じゃあ、その指導力って一体どうすることで高められるでしょうか?
簡単な言葉に言い換えて伝わりやすくすること?
解答の過程を論理的に順序立てて説明すること?
指導力(教える力)っていうと、どうしても話す内容や話の構成にばかり意識が向いてしまうでしょう。
ですが!
「何を話すか?」ということにだけ拘っていると、指導力が伸び悩んでしまうだけでなく、もっと大事なことを見失ってしまうかもしれません。
指導力よりも大事?
そんなのある??
う~~ん、まぁ
「大事」というか
「大事にすべき」
って感じですかね。
塾講師、特に個人塾を経営する一人塾長が指導力よりも大事にすべきこと、それは――
見た目です。
というわけで、塾講師の皆さん
整形しましょう!
……ハイ、冗談です、スミマセン。
でも、見た目を大事にすべきというのはマジですよ。
今回の記事では
「個人塾経営者は見た目を大事にすべき」
という主張の根拠となる心理学の法則をご紹介します。
これから個人塾を開業・経営する予定の方にはモチロン、他人と接する機会がある全ての方々に知っておいて欲しい法則です。
是非ご一読ください☆
メラビアンの法則と情報の統一性
さて、見出しで盛大にネタバレをしておりますが、今回ご紹介する法則というのはアメリカの心理学者アルバート・メラビアン氏が提唱した「メラビアンの法則」です。
結構有名な法則で一般にも広く浸透しているので、既にご存知の方もいるかと思います。
ビジネス本なんかでも
よく取り挙げられてい
ますからね。
または、法則名は知らなかったけど
「人間は見た目が大事」
的な意味合いの法則があったなーくらいの認識で、何となく知っていたという人もいるのではないでしょうか。
しかし、その認識はかなり拡大解釈されてしまった極論だと言わざるを得ません。
以下では、このメラビアンの法則について簡単に内容を見ていきます。
(詳しい内容は他のサイトに色々と書かれていますので、興味ある方は当記事をご一読の後ググってみて下さい)
メラビアンの法則と注意点
では早速、メラビアンの法則の内容について見ていきましょう↓
他人とのコミュニケーションでは
・話の内容(言語情報)が7%
・声のトーンや口調、話の早さ(聴覚情報)が38%
・顔の表情や仕草(視覚情報)が55%
の割合で相手に伝わる。
以上です。
え、話の内容が7%!?
それじゃ授業内容とか
真面目に考えるだけ
ムダなんじゃ…。
はいストーーップ!
気持ちは分かります
が、それはちょっと
早計ですよ。
この法則で示している割合は
「言葉の内容(言語情報)と話し方(聴覚情報)や表情(視覚情報)を敢えて矛盾させた場合」
のみ適応されます。
というのも、この法則を確かめるためにメラビアン氏が行った実験というのが、かなり特殊な状況だったからです。
検証した実験内容をザックリと説明すると
「怒った顔で『ありがとう』と言われたら嬉しいかムカつくか?」
みたいなものですね。
完全にサイコパス
じゃん…。
こんなの、フツーに考えて受け手の反応が
「怖っ!?(゜Д゜;)」
「キモッ!?(´・А・`;)」
あたりになる状況下での実験でしょう。
ですので、通常のコミュニケーション時でも全く同じ結果になったり、そのまま法則が当てはまるとは限りません。
加えて、この法則は決して
「話す内容より会話テクニックの方が大事」
とか
「人間は中身より見た目が大切」
ということを表す非情なものではないのでご安心下さい。
だって、そんなこといったら陰キャオタク系ビジュアルの僕なんか絶望的じゃないですか。
見た目で塾講師失格とか
哀し過ぎますよ…。
情報は統一すべし!
では、この法則は一体何を伝えているのかというと
「言語・聴覚・視覚の情報が統一されていないと、話の内容は殆ど伝わらない」
ということです。
※別に「話の内容はどうでもいい」とは一言も言っておりません。
要は「話す内容だけでなく表情や身振り手振り、服装や髪型も大切で受け手に大きな影響を与えるので気を付けましょう」ってこと。
特に、僕みたいに外見に自信が無い人って、極端に「人間は中身が大事」的な思考に偏る傾向があります。
(見た目を蔑ろにしがちってことですね)
ゲームで有無を言わさず
ステ振りを防御力に回す
って感じ?
でも、言語・聴覚・視覚の情報が同じ方向に揃っていないと、受け手に違和感や不信感を与えてしまいかねません。
例えるなら
商品の種類は豊富だけど、視力が良くてメガネをしていない店員揃いの眼鏡屋。
有名企業だけど、かなりデブぽっちゃり体型の販売員が勧めるダイエット食品。
説明は上手だけど、授業中やたら「えーー」を連呼する塾講師。
言葉の一つ一つや内容をどれだけ丁寧に吟味し鋭意工夫をしても、見え方・聞こえ方によってその説得力・伝達力は激減!
何たって、情報が統一されていない場合における言語情報の伝達割合は7%ですから。
超頑張っても一昔前の
消費税率より低いとか
メチャクチャ虚しい
ですね。。。
個人塾における見た目の重要性
以上、メラビアンの法則を通じて言語・聴覚・視覚情報を統一させて伝えることの重要さについて、何となくでも感じていただけたかと思います。
モチロン、それは塾講師であっても例外ではありません。
そして何より、学習塾は教育というサービスを提供するサービス業なのですから、話す内容や話し方だけでなく外見にも細心の注意を払うべきでしょう。
学習塾がサービス業?
サービス業というと接客や販売・営業なんかの仕事を思い浮かべる方も多いかと思いますが、子ども達の学習支援は立派な教育サービスであり、僕を含め塾講師はサービス業従事者です。
生徒・保護者という顧客を相手にコミュニケーションを密にとることは、互いに信頼関係を築き教育というサービスの提供を円滑に進める上で非常に重要と言えます。
保護者とのコミュニケーションについては、対面だけでなくメールやLINE、ZoomなどWeb会議システムを利用するといった手段もあるでしょう。
しかし、入塾面談や重要な学習・進路相談など、どうしても対面で話をする必要がある場面も出てきます。
それに、実際にサービスを提供する相手は子ども達であり、オンライン指導でもない限り子ども達には対面で指導・コミュニケーションをとることになるハズです。
むしろオンラインの方が
外見の印象を強く受ける
かもしれませんね。
なので、以下では学習塾における外見(視覚情報)で重要なことについて、現役の個人塾経営者である私ゆうき塾長が解説していきます。
これから塾講師・塾経営者になる予定の方、子どもの塾選びに悩んでいる保護者の方は、是非ご参考にして下さい。
それでは、どうぞ!
塾講師に何よりも大切なのは清潔感!
冒頭でも冗談交じりに言いましたが、いくら見た目が大切だといっても
ブサイクな塾講師は整形すべき
なんてことはありません。
それこそ僕が言っても
視覚情報と言語情報が
一致しないですから。
重要なのは顔の造形ではなく
清潔感
ここに気を配るだけでも、相手に与える印象や話の伝わり方はガラッと変わります。
企業の採用面接で重視するのも
婚活で相手の印象を決めるのも
圧倒的に清潔感。
えぇ~、清潔感くらいで
そんなに変わるかぁ?
想像してみて下さい。
高校受験や企業の就職試験でお馴染みの集団面接。
ボッサボサの髪にヨレヨレの服装、泥だらけ砂まみれの靴を履いた人
VS
きちんとセットされた頭髪にパリッとした服装、ピカピカの靴を履いた人
どっちの方に良い印象を持ちますか?
どっちの方が優秀そうに見えますか?
どっちの方が信用できそうですか?
……ハイ。
そういうことです。
不潔そうな人に大事な子供を預けようと思う保護者はいないでしょう。
不潔そうな人がどれだけ懇切丁寧に勉強を教えても、子供の意識は勉強には向いていません。
「この人、何か臭いなぁ…」
という嫌悪感で頭の中はいっぱいです。
(子供は匂いに敏感なので、タバコを吸っている人も十分ご注意ください)
「うちの塾は指導力が売りだから、清潔感なんて二の次で十分」
とかいうサービス業を舐めた考えでいると、ご自慢の指導力にも悪影響を及ぼすことになるでしょう。
いくら腕が良い料理人
でも、タバコを吸って
たら台無しですよね。
塾講師の見た目に関しては「情報の統一性」なんて難しいことを考える必要はありません。
サービス業で生徒・保護者と接する機会が多い以上、清潔感は断然あった方がイイ!
教育・指導を行う以前の話ですね。
それでも、敢えて「情報の統一性」について一つ言及するなら
教育者として相応しい服装
を心掛けることです。
(塾講師は教育者というよりサービス業従事者ですけど)
まぁ子供を教育・指導
する立場にあるという
点では変わりないので。
個人塾の塾長となると、ビジネスマンや雇われ塾講師のような社内規則に縛られることがないから、ここぞとばかりに奇抜で自由な恰好をする人が稀にいます。
他塾との差別化というか、パーソナルブランディングという考え的には悪くないと思うのですが、あまりに教育者のイメージとかけ離れている場合は問題です。
生徒・保護者から
「この人に教わって大丈夫か…?」
というような不信感を抱かれてしまっては、指導どころではありません。
自分に似合っているかどうかではなく、教育者として似合っているかどうかで選ぶべきでしょう。
(ワイシャツ&スーツ・ジャケットあたりが無難ですが、ラフ過ぎる恰好でなければ自由に選んで大丈夫かと思います)
個人的に白衣ならセーフ
かなーと思ってますし、
正直着てみたいです。
教室は塾の顔!統一感を持たせて清潔に
「情報の統一性」や清潔感を意識すべきなのは塾講師だけではありません。
子供達が勉強する空間、つまり教室も同様です。
隅々まで清掃が行き届いているか?
備品・教材は整理整頓されているか?
教室が汚いのは論外として、散らかった雑多な教室ではムダな視覚情報に溢れ、肝心の勉強に関する情報が頭に入りにくくなってしまいます。
単純に見た目も悪い
ですからね。
それと、講師の私物など勉強に関係のない物が置かれていませんか?
当たり前の大前提ですが、塾は勉強する場所です。
勉強に関係のない物が目についてしまえば、どれだけ講師が熱意を持って指導にあたっても、情報の不一致から言語情報が殆ど伝わりません。
観葉植物などのインテリアは別として、教室に置いておくものは勉強に必要な最低限の文房具と教材に厳選した方が良いでしょう。
他塾のブログを見ると
「観葉植物イイね!」
と書かれているのを
よく見るんですよね。
また、塾によっては脳トレになるパズルやゲーム、歴史に関する漫画などを教室に常備している所も見られます。
授業合間の休憩時間にも楽しく学べるという意図は理解できますし、これらを取り入れて成功されている塾もあるので否定するつもりはありません。
ですが、これらの多くは「楽しむこと」に重きを置いて作られたものであること、保護者によって賛否が分かれるということは留意してください。
上手く活用できれば良い教材になるのでしょうが、塾の指導方針や教育的な効果を考えず
「生徒達が喜びそう」
程度の軽い気持ちで置いておくと、教室内の空気が悪くなる原因となるかもしれません。
はた目から見てると
ただ遊んでるだけ
に見えますから…。
最後に
というわけで、いかがでしたか?
トーク力だけでなく、見た目にも気を配ることはサービス業にとって必要不可欠。
それは、教育というサービスを生徒・保護者の方々に提供する学習塾も同様です。
講師の雰囲気・教室の雰囲気が勉強する場所にそぐわなければ、どれだけ質の高い授業を行っても7%程度しか子供達に伝わらないかもしれません。
学習塾で働く方・学習塾に子供を通わせている保護者の方々は、改めて自身や講師の姿、教室の様子を見直してみてはいかがでしょうか?
僕も十分気を付けます。
コメント