さぁ~やってきました。
第2回となる塾用テキスト教材の紹介です。
ちなみに、前回の記事ではエデュケーショナルネットワークさんの中学生用テキスト教材「定期テスト対策 ワーク」を紹介しましたので、こちらも是非ご参考ください↓
そして、今回ご紹介するのも同じく中学生用のテキスト教材となります。
その名も「SPIRAL」
作成・出版しているのは、塾用教材の販売大手「株式会社 学書」さんです。
こちらで出版している教材は、私ゆうき塾長も幾つか愛用しております。
例えば、学校教科書に準拠した小学生用教材「New 小学生ワーク」などは、以前に執筆した塾用テキスト教材の説明記事でも紹介しました。
その他には、国語や英語の「即効!シリーズ」「読解!シリーズ」、受験が終わった中学3年生の高校内容予習用の教材「高校への準備 数学」なども使用していますね。
どれも本当に良い教材
ですよ。
また、同シリーズの高校生版教材「高校SPIRAL」というのもあり、こちらは僕の塾に通う高校生の授業用テキストにも採用しています。
特に高校教材は単元はじめの要点解説が無かったり、あっても申し訳程度といったもの、逆に詳し過ぎて分かりにくいものが多いです。
その点、この「高校SPIRAL」は今回ご紹介する中学生版のものと同様、要点が適度にスッキリまとまっていて非常に分かり易い。
僕の塾では高校生の授業を数学に限定していますが、英語など他の科目も含めて、高校内容の基礎学習には最適と言えるでしょう。
最近になって出版された
物理基礎や情報Ⅰとかも
買いたいと思ってます。
少し話が逸れましたが、今回ご紹介するのは中学生用のテキスト教材「SPIRAL」です。
こちらも基礎を固めるのにピッタリで、僕の塾でも成績下位・中位層を中心に授業用テキストとして使用しています。
(上位層でも、練習問題や単元まとめ問題をピックアップして、理解度確認を兼ねた演習として活用してますね)
それでは、ここから学書さんの「SPIRAL」について、全体の特徴と教科別の特徴とに分けて紹介していきます。
前回の記事同様、塾で使用するテキスト教材に悩んでいるという方へ、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
「SPIRAL」の特徴
じゃあ、まずは「SPIRAL」の全学年版に共通する特徴5選を見ていきましょう。
といっても、中には前回記事で紹介した「定期テスト対策 ワーク」の特徴と被っているものもありますので、そういった内容は一部省略してお伝えします。
詳しくは前回記事を
ご覧ください。
それでは早速、どうぞ↓
教科書準拠
教科書準拠の意味や特徴については、前回記事で紹介した「定期テスト対策 ワーク」と同様です。
「SPIRAL」では英語・数学ともに、教科書別の対応表が付属した標準版の他
数学…東京書籍、啓林館
英語…東京書籍、開隆堂出版、三省堂、光村図書出版
と、各出版社の教科書準拠版があります。
前出したエデュケーショナルネットワークさんの教材と比べると、対応する教科書出版社の種類は少な目ですかね。
それでも、数学は中学校全体の約7割が上記2社の教科書を使用していますし、英語は上記4社で8割程のシェアを占めています。
(令和3年度のデータではありますが)
もし自塾に通う生徒の中学校が残りの2~3割にあたったとしても、教科書別対応表をもとに標準版テキストを使えば特に問題なく進行できるでしょう。
特に数学は、どの出版社
でも単元の順番は大して
違わないですし。
縮刷解答・解説
こちらの「縮刷」に関しても、前回記事で紹介した「定期テスト対策 ワーク」と同様ですね。
両者の解答・解説を見比べた上で敢えて違いを挙げるとしたら、注意すべきポイントが追記されている箇所は、今回ご紹介している「SPIRAL」の方が気持ち多めでしょうか。
また、数学では分数を約分している箇所に斜線が引かれている等、途中計算の細かな部分が丁寧に書かれています。
最近、縮刷でない解答を使って丸付けする機会が多いので、なおさら実感しますが
やっぱり縮刷は見やすいっ!
対して縮刷じゃない解答は、ページ数や問題番号を探す手間がホント地味~に煩わしいですね。
いやホントに
縮刷しか勝たん。
板書型で分かり易い「要点のまとめ」
各単元の導入部分にある「Study Guide」(要点のまとめ)には、その単元で学習する内容の説明および例題の解説が板書形式で記されています。
この説明がまたシンプルながらも分かり易く、数ある特徴の中でも一番の推しポイントと言っても過言ではありません。
詳しい知識や発展的な内容が書かれているのではなく、基礎・基本の内容に絞って簡潔にまとまっているのが良いですね。
もとより「SPIRAL」は他のテキスト教材と比べて難易度自体は低めで、どちらかと言うと苦手科目の学習や自学自習において本領を発揮しますから、あまり細かく色々と書かれていないのはむしろ好ましい仕様と言えるでしょう。
それだけ大事な部分が
一目で分かり易いって
ことですし。
一方で、単元割の方は細かく設定されており、特に積み重ねが大事な教科である英語・数学の学習をスモールステップで行えます。
予習では「SPIRAL」を、より発展的な問題を解きたい場合には他の問題集を用いるなど、学習状況によって使い分けるのもオススメです。
類題の繰り返しによるスパイラル学習
この教材は、前述した「Study Guide」による単元の要点説明と「Practice」による演習問題、更に「Repeat」の類題を1セットとして各単元が構成されています。
また、要所要所に「Exercise」(数学)や「Reading Training」(英語)等の練習問題、節ごとに「Final Check!」の総まとめ問題という風に手堅く繰り返し学習ができる仕様です。
まさにスパイラル学習。
そう「SPIRAL」だけに!
(`・ω・´)キリッ!
…………。
無言やめて。
(話を戻して)教科書の必修内容定着に重点を置いているだけあって、テキストの流れに沿って学習を進めるだけで、その豊富なページ数と問題量から基礎・基本を自然と身につけることが可能でしょう。
以前の記事でも主張していますが、勉強は質よりも量を優先すべきというのが私の考えです。
※だからと言って、質は必要ないという訳ではありません。
(詳細は以下のリンクよりどうぞ↓)
【関連記事】
「勉強は量と質どっちが大切か?」
はじめに「Study Guide」で最低限の知識を得たら、あとは基本問題と類題を繰り返す中で、徐々に考え方や解き方を学んでいく。
演習量を増やすだけでなく、自立学習を促す為にもピッタリの教材です。
※ただし、類題ばかりだからと脳死で作業のように解く生徒もいないとは言い切れませんので、その点は講師側でサポートしてあげましょう。
ていうか、普通に
いますよ。うん。
(あと、各問題の横に3回まで印をつけられるチェック欄が付いているというのも、繰り返し学習する上で嬉しい仕様ですね)
付属の進度管理表で手軽に進捗管理
個々の生徒のスケジュール管理・学習進捗管理は、主に個別指導や自立型指導の指導形態において非常に重要です。
そんな学習管理の一端を、付属の紙一枚が担ってくれます。
「SPIRAL」に付属する進度管理表には以下の項目・記入欄が一覧表となっており、今後の学習スケジュールや進捗を調整するのに大変便利なツールです。
・単元名/ページ番号
・学校進度(日付)
・定期テスト範囲
・塾学習日(日付)
・得点記入欄(Final Check!)
・宿題
・備考
・講師サイン
・学習の目標
個人塾で沢山の生徒を一人で個別に指導する時にも、規模の大きな塾で複数の講師が分担して指導する時にも、各々の生徒を個別に管理するのに役立つでしょう。
勿論、こういった諸々の管理をタブレットやパソコンで一括に管理するのも良いですが、生徒の個人情報漏洩などリスクも付き物です。
紙とデジタルのどちらが良いかを主張するつもりはありません。
何より、使用する生徒や指導者側が、自分や組織に合った方法で管理するのが一番です。
ペーパーレス化云々は
ひとまず置いといて。
それでも、こうやって付属品として用意されていて、選べる選択肢が増えるというのは喜ばしいことでしょう。
とりあえず使ってみて、自塾の指導スタイル・システムに合うかどうか試してみるのもいいですね。
「SPIRAL」教科毎の特徴
では、続いては株式会社学書さんの「SPIRAL」教材について、教科毎の特徴を見ていきましょう。
中学生用「SPIRAL」にあるのは中学1・2・3年生それぞれの英語と数学。
特に積み重ねが大事というか、一度どこかで躓いたら以降の学習に及ぼす影響が甚大と言われる2教科ですね。
高校生用「SPIRAL」など他のテキスト教材と比べると教科ラインナップは控えめですが、基礎・基本の徹底という趣旨を考えると概ね十分でしょう。
いや、正直あれば欲しい
なぁとは思いますが。
意外と英語と数学で使い勝手が違いますので、雰囲気だけでも伝われば幸いです。
(まぁ実際に購入して手に取って見るのが一番ですけども)
それでは、どうぞ↓
SPIRAL(英語)の特徴
学書の「SPIRAL」英語テキスト教材の特徴は、大きく以下の2点です↓
①充実した教科書本文問題
②重要文法に絞った繰り返し学習
英語テキストの構成は、各単元のセクション・パート毎に
・Study Guide
(要点のまとめ&例題/新出単語)
↓
・Point Check
(重要例文の穴埋め英訳問題)
↓
・Practice
(文法/会話表現の練習問題)
↓
・Repeat
(Practiceの類似問題)
という流れで、各章の後半には
・Reading Training
(教科書本文の読解問題)
・Text Training
(会話表現などの問題)
・Final Check!
およびFinal Check!+
(単元の総まとめ問題)
加えて巻末には
・Perfect Check!
(学年末テスト対策問題)
・Study Words
(新出単語の書き取り練習)
という流れで、各章から巻末を通して学習内容を繰り返し練習できる構成です。
さらに2年生・3年生のテキストには、巻頭部分に前学年までの文法事項の復習問題10ページ程度が用意されています。
春休みにおける復習や
理解度確認にピッタリ
なページですね。
個人的な一番の注目ポイントは「Reading Training」ページでしょうか。
前回の紹介記事のように、他の会社が作成・出版している塾専用教材にも教科書準拠のものはありますし、少しは教科書本文と問題が掲載されています。
それらと比較して、この「SPIRAL」は頭一つ抜けて教科書本文の確認・練習問題を行いやすいです。
というのも、まず引用されている教科書本文の量が多めということ。
そして、単元ごとに教科書本文問題がまとまっているから、抜粋して演習するのが容易だということが理由として挙げられます。
※コピーして配布したら
“著作権の侵害“ですから
気を付けましょう。
また、問題内容は各単元において特に重要な文法や熟語・会話表現に厳選されており、大事な学習事項をシンプルに何度も練習して学べる点も良いですね。
下手に幅広かったり詳し過ぎると、何を覚えるべきで何が大事なのかワケワカメ状態になったり、全て中途半端な理解になってしまうという子も少なくありません。
やるべきことがギュッと絞られているので、英語が苦手な生徒でも比較的取り組みやすいと感じるのではないでしょうか。
SPIRAL(数学)の特徴
学書の「SPIRAL」数学テキスト教材の特徴は、大きく以下の2点です↓
①用途別に使い分け易い問題構成
②穴埋め形式で手軽に要点の確認
数学テキストの構成は、各章の課・単元毎に
・Study Guide
(要点のまとめ&例題・解説)
↓
・Practice
(用語の穴埋めと練習問題)
↓
・Repeat
(Practiceの類似問題)
という流れで、各章の所々には
・Exercise
(複数単元を含む練習問題)
また、各章の最後には
・Final Check!
およびFinal Check!+
(章末の総まとめ問題)
と、基礎・基本の問題を中心に繰り返し練習することで、学習内容が自然と定着できる構成です。
さらに、巻頭部分には前学年まで(1年生テキストには小学校内容)の復習問題が10ページ前後用意されています。
単元毎の理解度・習熟度
を大まかに確認するのに
丁度良いですよ。
僕がこの「SPIRAL」数学で最も気に入っている所は、生徒の学習状況に応じて取り組むべきページの使い分けがし易いという点。
予習、もしくは理解が不十分であったり曖昧な場合には、ひとまず「Study Guide」から「Practice」「Repeat」の流れで基礎・基本の確認。
ある程度は理解できたものの、まだ定着するには練習不足という場合には「Exercise」で演習量を確保。
局所的には身についたが範囲が広くなると不安、または最終的な理解度確認や定期テスト前の対策がしたい場合には「Final Check!」、ないしは「Final Check!+」の総合問題で簡易テスト。
確かに、主な対象は成績下位~中位層辺りといった難易度設定ではあるものの、学習段階や問題ページによっては上位層でも十分活用できる内容でしょう。
生徒の学力や志望校に
応じてメイン・サブと
使い分けしやすい教材
ですね。
また、単元によっては「Practice」の最初に存在する「要点の確認」問題も、数学が苦手な生徒に対して地味に良い仕事をします。
新出の数学用語や重要な問題の解き方を、直前の「Study Guide」に連動して穴埋め形式で確認できる仕様です。
特に数学用語は問題集などではサラッとした説明で流されることが多いですが、一方で理解を深めるのに必要不可欠かつ定期テストに出題される可能性もあるので、念の為に確認できる場があるのは安心要素になりますね。
最後に
というわけで、いかがでしたか?
過去記事でも追記で書いていますが、学書さんの「SPIRAL」テキスト教材は中学生の成績下位層を中心に、僕の塾でも授業用テキストとしてかなり愛用しています。
(成績中上位層の理解度確認や、高校生の授業で使用するメイン教材としても活躍中です)
これだけで入試対策もバッチリ!というようなものではありませんが
「まずは平均点超えを目指す」
くらいの目標を達成するにはピッタリの教材と言えるでしょう。
塾のターゲット層にも
よりますけど、かなり
需要はありそうですね。
以上のことを踏まえて、もし学書さんのテキスト教材にご興味を持った方は、まずは実際に中身を見てみるのがオススメです。
株式会社学書さんでは、今回ご紹介した「SPIRAL」を含む様々な塾専用教材が出版されており、公式ホームページには各テキスト教材の紙面紹介が見られます。
購入の際にはホームページより注文用紙をダウンロードし、必要事項を記入してFAXで送ればOK.
FAXが面倒という場合には、会員登録さえすればオンラインショップの学書SHOPで購入することも可能です。
あるいは、以下のような学習塾用教材の販売代理会社を利用するというのも良いですね↓
上記のサイトなら、
学書さん以外の教材
も色々と試し読みが
できますよ。
当記事の内容が、これから学習塾経営を始める予定の方・まだ経験が浅い方にとって、少しでもお役に立てたら幸いです。
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