学習塾を開業された皆さん、もしくは近い内に開業する予定の皆さん。
塾用のテキスト教材はもう決めましたか?
まぁ「授業や宿題でテキスト教材を使わない」というのであれば不要ですが、そういった塾は恐らく少数派だと思います。
(学校の復習をメインで行う補習塾とかなら、学校の教科書・ワークをひたすら取り組ませるって指導方法でも成り立つんですかね?それでも習熟に十分な演習量を確保できるかイマイチ不安ですけど…)
ってな訳で、今回は学習塾で一般的に使用されているテキスト教材に関する記事です。
僕が開業準備の際に調べたことや、実際に開業して使ってみた上での意見も交えてお話していきます。
これから学習塾を開業
する予定の方は、ぜひ
参考にして下さい。
テーマはタイトルの通りで
「塾で使用するテキスト教材はどれがいいのか?」
ということ。
※教材に関しては教育者の皆さんそれぞれに強い拘りがあるかと思います。
なので、教育関係の方々の中にはこの記事の内容に疑問を持つ方もいるかと思いますが、これも一つの考え方・教育視点だと割り切ってお楽しみ下さい。
上記以外の方々は、普段は目にすることのない塾業界の裏側を垣間見ることができますよ☆
特に塾へ通う子ども及びその保護者の方々にとっては、塾で勉強する上で知っておいて損はない情報です。
ネットで調べるだけじゃ
分かりにくいことも多々
ありますからね。
それでは、以下詳細をどうぞ!
塾用テキスト教材はどこから購入するのか?
皆さんが「教材」とか「テキスト」と聞いてフツーにパッと思い浮かぶのは
・本屋さん等で販売している市販教材
・学校で配布されるワーク
とかじゃないでしょうか。
(※塾関係者は除く)
ただ、学習塾で使用する教材の大半は
教材業者が学習塾限定に販売するもの
です。
よって、学習塾用のテキスト教材は一般の本屋さんやAmazon等のネットショップでは売っていません。
(まぁぶっちゃけ「ヤフオク!」とか「メルカリ」などのネットオークションやフリマアプリ・サイトでは大量に投げ売りされてますけど…)
日本ヤベェな…。
教材業者は、主に教材を作成する業者と、それを出版・販売する業者とが存在します。
有名どころを挙げてみると
といったところですかね。
教材作成業者では、自社で教材をつくっているので基本的に自社のテキスト教材のみを販売しています。
会員登録して教材を一定額以上購入すれば、その会社オリジナルのICT教材を利用することができる所もあるので、興味がある方は注文する前に確認しておくと良いでしょう。
(理社の一問一答や記述対策プリントなど、痒い所に手が届く感じの教材が揃っていますよ)
一方、出版・販売業者では、いくつもの教材作成業者のテキスト教材を取り揃えて販売しています。
複数の教材作成業者のテキストを一つの業者からまとめて仕入れる場合には便利です。
(こだわりが強い教育者の方は、生徒の成績や科目、性格などに合わせて一人一人違う教材を用いますので、どうしても種類が多くなりがちなんですよねぇ)
稀に教材マニアみたいに
なってる人もいますし。
どの業者にせよ、テキスト教材を購入する際の流れは同じで、各会社に直接電話・FAXするか、ホームページ経由でメールを送って注文すればOKです。
(ただし、初めて購入する際には、メールやFAXを送っても配送前に向こうから注文確認の電話がかかってくると思いますけど……)
このような業者から仕入れる塾専用テキスト教材は、学習塾での指導を前提に構成されている点や、教材会社のノウハウ・データに基づいた内容になっている点など、塾で用いる上で色々と使い勝手が良く、なおかつ問題の質が非常に高いという特長があります。
また、冊子の裏に値段が記載されていないというのも塾側としてはちょっと安心です。
(だからといって不当な教材費を請求する塾が少なからず存在するのは困りものですが…)
塾用テキスト教材の選び方
塾専用テキスト教材の購入先と購入方法は分かったとして、次に問題なのは
「どこの、どの教材がイイのか?」
というわけで、実際に僕がテキスト教材を仕入れる際に着目したポイントを4つに絞ってご紹介していきます。
その4つのポイントとは
①学校教科書準拠になっているか?
②問題量は多いか?
③解答の解説は分かり易いか?
④別冊で単元・章別の確認テストは付いてくるか?
それでは、順番に見ていきましょう!
①学校教科書準拠かどうか
学校教科書準拠というのは要するに「学校の教科書と同じ流れの単元構成」ということ。
特に個別指導塾や個人塾では、普段の授業では学校と同じ学習内容を同じ順番で実施する場合が殆どです。
※ただし、大手の集団指導塾や一部の個人塾では、独自の学習カリキュラムやテキスト教材があって学校とは大きく異なる場合もあります。
保護者にとって子供を塾に通わせる目的は「成績を上げる」や「志望校合格」といったことではないでしょうか?
稀に学童保育の代わりに
塾を利用している方も
いるみたいですけど…。
となれば、目下の短期目標は「学校の定期テストの点数を上げる」ことになります。
そして、その為には塾での勉強と学校での勉強とがリンクしていることが望ましいです。
テスト前だけ別途テスト対策を行っている所もありますが、そんな付け焼刃の対策では一部の成績上位層を除いて学習効果は薄いので、正直あまりオススメは出来ません。
なので、子どもの学力が桁違いに高いまたは低いか、はたまた余程ご自分の学習計画や教材に自信がない限りは、学校教科書準拠のテキスト教材を選ぶと良いでしょう。
(子どもとしても学校と塾とで全く違うことを勉強していたら困惑しますし、モチベーションを保つのが大変ですし)
いかに先を見据えた勉強
だとしても、目下の成績
が落ちては内申にも響き
ますからね。
②問題量が多いかどうか
これはテキスト教材を使用する目的にもよるのですが、基本的には問題数が多いに越したことはありません。
いくつかのテキストを比較する際には、テキストによっては本冊子の他に類題や単元確認テストをまとめた小冊子が別に付いてくるものもあります。
なので、単純に本冊子テキストのページ数だけで総問題数を比較することはできません。
(1ページあたりに問題数が全然違うという場合もありますので、分厚さとかパッと見で問題量を確かめるのは無理ゲーですね)
もしかしたらベテラン
にもなると表紙だけで
問題数の多少が分かる
のでしょうか。
また、夏休み・冬休み・春休みの長期休暇の際には、各教材業者から講習会用テキストも販売されますので、勉強量が足りない子には講習会の参加とあわせて追加で購入される場合もあります。
講習会用テキストにも様々な種類がありますので、ちゃんと講習会の目的に沿った適切なテキストかどうか、指導者側と生徒・保護者側とで事前に情報共有しておくと良いでしょう。
③解答解説が分かり易いかどうか
塾用テキスト教材といっても問題集・ワークであることには変わりません。
もちろん解答解説は全てのテキストに付いてきますが、どのくらい詳しく解説されているか、または簡潔に分かり易く書かれているかは教材業者や教材の難易度によって大きく異なります。
また、文章による解説が中心か、図や表などを用いた解説が多いのか等の違いもあり、優劣を一概に判断することはできませんので、購入する際には自分や子どもに合ったものを選ぶよう心がけると良いでしょう。
個人的には、問題が書かれた本テキストと同じページ構成になっていて解答解説が赤色で追記されているタイプ(縮刷)のものは、該当ページが分かり易く直観的にも見やすいから、丸付けがスムーズに行えて便利だと思いますよ。
(学校のワークも縮刷タイプのものが多いので、もし小さい子どもが丸付けをすることになっても多少は安心できます)
まぁ子どもに解答を持た
せたら隠れて答えを写す
ような輩が出てくること
もありますけどね。
④確認テストがあるかどうか
②でも少し触れましたが、テキストによってはメインの勉強に使う本冊子の他に、単元終わりや学期終わりの復習に使う小冊子が付いてきます。
この小冊子は、単元別にそれぞれ1ページ程度の小テストが行える構成になっていて、各ページの得点率を見れば苦手な箇所が分かるので、できれば付いていて欲しいところです。
授業前の小テストや定期テスト前の理解度チェック、入塾時の学力測定と、塾の指導方法に合わせて様々な使い方ができるでしょう。
(塾によっては全く不要で、未使用のまま大量に処分されることもあるようですけど)
それでも、僕の塾では
めっちゃ使いますね。
結局どれがいいのか? ゆうき塾長の使用例
ポイントを聞いても
選べないよ……。
オススメとかないの?
別業種から独立して学習塾を開業する人の中には、そんな方もいるかと思います。
本来ならば、ページ構成や問題内容を比較・検討するためにも
・各教材業者さんが集まって開催する教材展示会に参加する
・各教材業者さんの所へ直接訪問する
・各教材業者さんに連絡して、サンプル教材を送ってもらう
といった行動をとり、テキスト教材を手に取って直で見るのが一番です。
(上記の3つがどうしても実行できない場合には、せめて各教材業者さんのホームページで各教材の説明や見本を見るだけでもした方がいいですよ)
僕の場合は、選んで注文する前に上記の方法で小中学生それぞれ3つまで候補を絞り込んでいました。
それがコチラ↓
【小学生用】
・「ワーク」(エデュケーショナルネットワーク)
・「NEW 小学生ワーク」(学書)
・「ほーぷ」(育伸社)
【中学生用】
・「ワーク」(エデュケーショナルネットワーク)
・「iワーク」(育伸社)
・「新ワーク」(好学出版)
そして、最終的に採用したのは
【小学生用】
・「ワーク」(エデュケーショナルネットワーク)
・「NEW 小学生ワーク」(学書)
【中学生用】
・「ワーク」(エデュケーショナルネットワーク)
・「新ワーク」(好学出版)
※あくまで個人的なチョイスですので、「これが一番イイ」と推奨するものではございません。
【追記】2024年4月
開業から3年が経ち、紆余曲折あって今では使用する教材が少し変更されています↓
【小学生用】
英語(6年生)
→「中学英語へのかけ橋」(都麦出版)
算数(成績下位層)
→「小学レクウェル」(文理)
算数(成績中上位層)
→「ワーク」(エデュケーショナルネットワーク)
または「小学 アクティブ」(学友社)
理科・社会
→「ワーク」(エデュケーショナルネットワーク)
または「NEW 小学生ワーク」(学書)
【中学生用】
英語(成績下位層)
→「スマートワーク」(エデュケーショナルネットワーク)
英語(成績中上位層)
→「ワーク」(エデュケーショナルネットワーク)
数学(成績下位層)
→「SPIRAL」(学書)
数学(成績中上位層)
→「ワーク」(エデュケーショナルネットワーク)
国語・理科・社会
→「ワーク」(エデュケーショナルネットワーク)
または「新ワーク」(好学出版)
生徒の学力・理解度
によって使い分ける
ようにしています。
この記事が、これから学習塾を開業する方々の助けになったり、子供を塾に通わせる保護者方の参考になれば幸いです。
P.S.今後まだまだ学習塾の開業準備に関する記事を沢山書いていく予定ですので、もし何かご要望あればお気軽にコメント・メッセージ下さいませ(≡ω≡)b
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