殆どの仕事において求められる超重要スキル
コミュニケーション能力
皆さんは他人とのコミュニケーションに自信がありますか?
ちなみに僕は
皆無です。
そんな人見知り全開の僕ですが、それでも塾生の保護者とは積極的(?)にコミュニケーションをとるように努めています。
何故かって?
それは
学習塾において保護者とのコミュニケーションは非常に大切だからです。
今回の記事では
「塾における保護者とのコミュニケーションの重要性」
「塾における保護者とのコミュニケーション手段5選」
以上2点について解説していきます。
これから独立・起業して学習塾を開業する予定の方や退塾に悩む現役の経営者の方、はたまた塾選びをしている保護者の方は、ぜひ最後までご覧くださいませ。
保護者とのコミュニケーションの重要性
「コミュニケーションは大事」
何とも当たり前のことですが、こと学習塾においては
「コミュニケーションは超大事」
つまりレベチです。
というのも、他の多くのサービス業では
お金を支払う人=サービスを受ける人
であるのに対して、学習塾などの教育サービス業では
お金を支払う人=保護者
サービスを受ける人=子供
というように、お金を支払う人とサービスを受ける人が違います。
サービスを提供する側の塾講師は、ついつい直接サービスを受ける子供とばかりコミュニケーションをとりがちですが、それは要注意でしょう。
なぜなら、保護者・子供の両者ともサービスを求める「お客様」であることには変わりなく、どちらかを疎かにすべきではないから。
上質なサービスだけ提供すればいい、つまり成績さえ上げればいいという考えは極論過ぎです。
それでいいっていう
寛大な保護者の方も
いますけどね。
ファミレスで例えるなら
子供にはメチャクチャ美味しいお子様ランチを出すけど、同席する保護者には水さえ出さない
というようなもの。
(まぁ実際はそこまで酷くないでしょうけど)
人によってはブチ切れですよ。
そんなわけで、以下ではより具体的に保護者とコミュニケーションをとることの重要性を3つご紹介していきます。
これらの重要性を知れば、どれだけ重度のコミュ障人見知り塾長であっても、積極的に保護者とコミュニケーションをとりたくなるはずです。
生き証人が
←コチラ。
それでは、どうぞ!
塾・家庭での様子を共有できる
保護者の方々は、子供が勉強する様子を直接見るわけではないので、子供が塾でどんな風に勉強しているのか全く知りません。
もちろん、どんな教育方針でどういった授業を行うのかについては、入塾の際に話を聞いているでしょう。
しかし、実際に授業を受けている様子を見ることが出来るのは、せいぜい最初の体験授業だけかと思います。
塾によっては最初の体験授業であっても保護者の見学をご遠慮している所もありますので、保護者が一度も授業を見たことないという事も珍しくありません。
実は僕の塾もそうです。
他の生徒が緊張して、
普段通りに授業が受け
られなくなるので…。
一方、塾側としても生徒が家にいる時の様子を見ることは出来ません。
特に宿題をやってこない子や塾へ来る回数が少なく成績も上がらない子は、家庭でどんな風に過ごしているのか非常に気になるものです。
(まぁほぼ間違いなく勉強はしてないんでしょうけど…)
そうなると、保護者としては
「毎月お金は払っているけど、塾で何をしているのか分からない…」
そして、塾側としては
「毎週宿題は出しているけど、家で一体どう取り組んでいるのか…」
といった具合に、お互い心配になることは目に見えています。
このような事態が続くと、保護者の不信感を募らせて、最悪の場合は退塾に繋がる危険性もあるでしょう。
こういう状況を放置する
のは塾側の怠慢です。
そのような事態にならないよう、まずは塾での様子を保護者に、家庭での様子を塾講師に伝えることが重要となります。
塾・家庭での教育状況を共有することで、互いの教育に対する理解が深まる。
さらには、子供の現状を正確に把握することで、それぞれの教育に活かすことができる。
それがコミュニケーションをとることの第一の意義と言えるでしょう。
協力・連携して教育に取り組める
一塾講師の立場から率直に言わせていただくと、本当は家庭で勉強するよりも塾へ来て勉強する時間を増やしてもらいたいというのが本音です。
というのも、自分の家というのは勉強第一に考えられた環境ではなく、勉強を阻害する要因が多いから。
TVとか漫画とかゲーム
とかスマホとかetc…
ですが、各ご家庭の事情や子供の体力的な理由などもあり、頻繁に塾通いというわけにもいかないのが実情でしょう。
なので、家庭と塾で環境こそ大きく違えど、どちらも子供が勉強する為には欠かすことのできない大事な場所だといえます。
(家庭と家庭外における最適な勉強場所については過去記事で詳しく紹介していますので、よろしければ是非ご一読ください↓)
塾や家庭での様子を互いに共有できると、単にそれぞれの教育理解や教育改善に繋がるだけではなく、お互いに協力・連携し合うこともできます。
例えば
「塾でこんな宿題を出したので、お家で様子を見てあげて下さい」
「家でこういう問題に悩んでいたので、塾で教えてあげて下さい」
という感じですかね。
※僕の実例です。
成績が伸び悩む子というのは生活の所々に問題があるもので、塾での教育だけで全てが改善するとか、逆に家庭での教育だけで改善するといったことは滅多にありません。
保護者と塾講師とが家庭・塾での様子を共有した上で互いに協力・連携することで、ようやく生活習慣が改善し少しずつ学力向上の兆しが見えてきます。
つまり、コミュニケーションをとることは個々の指導能力を超えた教育を可能にすると言えるでしょう。
互いに信頼関係を築ける
塾・家庭での様子を互いに共有し、協力・連携して教育に取り組む中で、保護者と塾講師との間に信頼関係を築くことができるでしょう。
保護者との信頼関係は、学習塾を経営する上で非常~~に心強いです。
まず、保護者から塾への信頼を得られることによって、塾のカリキュラムや学習計画を円滑に実行することができます。
また、知人やママ友・パパ友に塾を紹介していただけることも少なくありません。
実際、僕の塾では生徒の
3~4割は保護者からの
紹介です。もうホントに
恐悦至極っっ…!
逆に、塾から保護者への信頼があることによって、毎月の月謝回収作業が恐ろしい程スムーズかつ楽になります。
(以前に勤めていた大手塾では事務の方々が担当していたのですが、生徒数が桁違いだったこともあって本当に毎月とても大変そうでした)
他にも、季節講習会や定期テスト前などに行う特別講座といった各種イベントを開催する際には、変に遠慮することなく子供に合ったコースを率直に提案できます。
要するに、塾の経営や指導方針などについて保護者の方に十分なご理解をいただけているから、業務作業に振り回されることなく生徒指導に注力できるということです。
だからといって業務作業
の手を抜いてイイという
わけではない事は、肝に
銘じておきましょう。
(自戒の念も込めて…)
保護者とのコミュニケーション手段
学習塾が教育サービス業でサービスを受けるのが子供である以上、サービスを提供(教室で勉強)している間は子供とのコミュニケーションに偏ってしまうのは仕方がありません。
そもそも、保護者の方は
教室にいないですし…。
じゃあサービスを提供していない時間はというと、子供達が学校へ行っている平日の日中か閉校後の夜遅く、もしくは休日の開校時間外ということになるでしょう。
その限られた時間を使って保護者とコミュニケーションをとる為には、一体どんな手段が考えられるのか。
以下では、学習塾における保護者とのコミュニケーション手段を順にご紹介していきます。
これらを上手活用することで、先述した3つの意義をより強く実感することができますので、ぜひ積極的に取り入れてみて下さい。
それでは、どうぞ!
面談など対面
面と向かって会話する、最も一般的なコミュニケーションの形ですね。
どんな塾でも、はじめに入塾する際には「入塾面談」とかいって対面で話をするのではないでしょうか。
その他にも大手塾などでは、学期毎や年度毎に「教育相談」などの名目で保護者を呼んで面談をするケースもあります。
僕が以前に勤めていた塾
でもありました。
このように塾へ招いて面談する場合は、事前に保護者の方と相談のうえ面談日時を決めて、面談する為のスペースを個別に設けて行われることが殆どです。
なので、お互いある程度の緊張感を持って塾・家庭における子供の学習状況などが話されます。
(面談の形式が塾講師と保護者との2者面談なのか、あるいは子供も加えた3者面談なのかによっても雰囲気は大きく変わりますが、そこは各塾の方針や面談の内容次第ですね)
もう少し気軽に話をするには、保護者が送迎のために来塾したタイミングを狙うのが良いでしょう。
送り迎えは授業の合間にある休憩時間である場合が多いので、ちょっとした立ち話をするには丁度良いシチュエーションです。
授業の前後だと、あまり
ゆっくりと話をすること
はできませんけど…。
時間を気にせず面談したいのなら、保護者の方と事前に打ち合わせをして授業時間を避けるか、開校時間外にセッティングする必要があります。
保護者側の都合もありますので、他のコミュニケーション手段と比べて日程調整や準備に手間がかかるのがネックでしょう。
※ちなみに、一昔前まで学校現場でよく行われていた「家庭訪問」なんかは、学習塾で実施している所は極少数です。
(まぁ講師側の負担的に相当キツイですし、感染症防止の観点から見ても好ましくはないですからね)
電話
これまた非常に一般的なコミュニケーション手段かと思います。
最近では固定電話の無い家庭も結構あるようですが、それにしたって携帯電話の一つも存在しない家庭は極めて稀でしょう。
定期的な塾での指導報告を行ったり、家庭での生徒の様子を尋ねたりと、月一くらいの頻度で比較的軽めの話をするのに良いですね。
対面で話すよりかは緊張することがないので、ちょっと人見知りというシャイな塾長さんでも若干安心です。
僕はそれでも緊張して
しまいますけど…。
デメリットとしては、保護者側が都合の良い時間帯に電話しないと結構な迷惑をかけてしまうということ。
それと、その場に相手がいないので表情や感情、場の空気が読めず話し辛いということが挙げられます。
話し合いに時間を要する内容や、慎重に会話を運ばなければならない重めの話題を切り出すには少し不向きなコミュニケーション手段でしょう。
そういう時は対面で面談
する方が無難ですね。
Eメール・メールアプリ
これも多くの保護者が利用可能な連絡手段ですね。
時間を選ばず送受信できて、手が空いた時に返信できるのが魅力です。
パソコンやメールアプリを使ってやり取りをするメールですが、宛先に使うメールアドレスには色々な種類があるようで、ざっと分類すると以下のようになっています↓
「プロバイダメールアドレス」
契約しているインターネットサービスプロバイダーが発行するアドレス。
(BIGLOBEやOCNなど)
「フリーメールアドレス」
検索エンジン提供企業をはじめ、様々な業者が無料で発行するアドレス。
(Yahoo!メールやGmailなど)
「キャリアメールアドレス」
契約している大手の携帯電話会社が発行するアドレス。
(docomoやソフトバンク、auなど)
メールアプリと似たものにメッセージアプリというものもあり、どちらも文章でやり取りすることができますが、やや使い勝手が異なります。
メッセージアプリを使用するSMS(ショート・メッセージ・サービス)ならアドレス不要で電話番号のみでやり取りできますが、送受信する度に費用が発生するうえ画像が送れません。
※同じくメッセージアプリを使うMMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)の方は、キャリアメールでやり取りを行うので、メールアプリを使うのと大差ないようです。
保護者とのやり取りは
お互いメールアドレス
を使った方が良さそう
ですね。
メールの良い所は、僕のように口下手な人や敬語・丁寧語が苦手な人でも、推敲することで大分マトモなコミュニケーションがとれることです。
コレ、本当に助かります。
いや、本当に助かります。
(思わず2回言っちゃいました)
ただ、パソコンやスマホの操作に慣れていないとメール本文の作成に時間がかかってしまうのはネックですね。
電話以上に、重めの内容を扱うのには向かないコミュニケーション手段でしょう。
LINEなどコミュニケーションアプリ・SNS
先程のメールアプリと似た手段として、主にLINEなどコミュニケーションアプリのトーク機能を使うという手段があります。
このトーク機能、特に僕のようなパソコンやガラケーでのメールに慣れている人はメチャクチャ便利に感じますね。
こちらの送信状況が視覚的に分かるだけでなく、自分や相手の未読・既読状況も分かるので
「ちゃんと送れたかな?」
「読んでくれたかな?」
なーんて不毛な心配をすることがありません。
長らくガラケーを愛用していたアナログ人間の僕には衝撃の便利機能です。
(まぁLINEを使い慣れている人にとっては、こんな事は当たり前に感じるんでしょうけど)
そんな僕ですが、今では
よくLINEで保護者の方と
やり取りをしています。
LINE以外にもトーク機能を持ったコミュニケーションアプリは色々ありますが、何といってもLINEが日本人に最も普及していますので、あえて他のアプリを使う意味はないでしょう。
また、twitterやfacebook、InstagramによるDM(ダイレクトメッセージ)でも保護者と個別に連絡を取ることが出来ます。
ただ、こちらはどちらかと言うとメールに近く、LINEと同じように使うことは出来ません。
アプリをダウンロード
して通知ONにすれば、
多少は使い勝手が良く
なりますけど…。
これらのSNSは不特定多数に対する広告・宣伝には非常に便利ですが、保護者とのコミュニケーションツーとしては正直イマイチに感じますね。
(個人塾にオススメの広告・宣伝方法について、詳しくは以下↓の過去記事で紹介していますので、よろしければどうぞ☆)
とにかく、まだLINEを使っていない個人塾経営者の方は、保護者の方がLINEを使っているようならとりあえず友達追加して試しに指導報告などを行ってみることをオススメします。
ZoomなどWeb会議システム
コロナウイルス感染症防止の目的で急激な広がりを見せたWeb会議(オンライン会議)。
学習塾業界でも、様々な業務や教育活動がオンラインで行われるようになりました。
一つの教室で集団指導していた授業は「オンライン授業」に。
家まで訪問して指導していた家庭教師は「オンライン家庭教師」に。
そして
対面形式で行われていた教育相談は「オンライン面談」に。
可能な限り今までと同じように教育活動をする為に、塾業界でもWeb会議システムが普及しました。
一言にWeb会議システムと言っても色々な種類があり、有名なものは以下の通りです↓
・Zoom
・Skype
・Slack
・Chatwork
・Google ハングアウト
・Microsoft Teams
・Whereby
中でもZoomは日本における利用シェアが35%でトップということもあり、特によく使われています。
僕が以前に勤めていた塾
も面談や授業、懇談会で
Zoomを使ってました。
どれも基本的な機能は似通っていますが、ものによっては費用がかかるものや、専用のアプリをダウンロードする必要があるもの等々ありますので注意が必要です。
保護者の方が面談の為に塾まで移動する手間が無い分、時間的な制限や負担は若干少ないでしょう。
ただ、見た目やイメージこそ対面に近いですが、使い慣れていないと対面に比べて不便に感じられるかもしれません。
仕事で頻繁に使うという方ならよいのですが、まだまだZoomに慣れていない塾講師・保護者の方が多いです。
正直、僕も上手く扱える
自信は全くありません。
コミュニケーション手段に限らず、教育活動でWeb会議システムを検討している方は、まずは自分が十分に使いこなせるよう練習する必要があります。
その上で、保護者の方々の利用状況を事前に調査しておくことが重要でしょう。
最後に
というわけで、いかがでしたか?
学習塾を経営する上で、保護者の方とコミュニケーションをとることは非常に大切です。
特に個人で塾を経営する場合は
「授業さえやっていればいい」
「成績さえ上げればいい」
といった単純なことでは決してありません。
実際に塾経営していて
ヒシヒシと感じます。
ただし、どれだけコミュニケーションを大切にしていても、肝心のサービス(教育内容)がショボかったら全くの無意味だというのもまた事実。
前述したファミレスの例でいうと
子供には激マズお子様ランチを出して、同席の保護者に高級ミネラルウォーターを提供する
というようなもの。
もう確実に
「ここ、何の店?」
って思われますね。
学習塾として指導の質に拘るのは最低条件で、常に精進が必要なのは言うまでもありません。
なので、他塾との差別化によって経営を左右するのは指導以外の教育活動、つまり付加価値です。
学習塾経営を目指す読者の皆さんが、保護者の方々との円滑なコミュニケーションをとることで、充実・安定した経営ができることを願っています。
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