今回は「2020年の教育改革で学校のカリキュラムは具体的にどう変わったのか?」シリーズ第2弾です!
(本当は第1弾から連続で投稿する予定でしたが、真面目な内容の記事を続けて書くのがしんどかったので、たまらず昨日は息抜き記事を執筆しました)
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「教育改革で小学校の算数はどう変わったか?」
前回は小学校の算数について見ていきましたが、今回は中学校の数学と理科でいってみましょう!
……え? 「何で今回は一気に2科目なんだ」って?
どちらも大きな変化は1点だけで、1記事の文字数的にちょっと心許なかったんですよねー。
というわけで、数学も理科も細々とした変化はいくつかあったんですが、簡潔化のため敢えて大きな変化1点のみにそれぞれ絞りましたので、順番にどうぞ!
中学校数学・理科の変更点
中学校数学における変更のポイント
まず数学ですが、最も気を付けたい変更点はズバリ統計的学習の内容が増加したことです。
前回記事で、小学校算数の統計的学習の内容が増えた・強化されたことについて背景や詳細を書きましたが、中学校でも同様の理由で変更・追加となりました。
(背景については一言で言うとデータサイエンスが発展している現代に適合するためでしたね)
主な内容は「累積度数の意味や利用」「反例の意味や使い方」「箱ひげ図と四分位範囲の意味や利用」といったところです。
特に「箱ひげ図と四分位範囲」については、僕が高校生の時には全然習っていなかった学習内容だったので、初めて見たときはメチャクチャ驚きました。
(今回の教育改革が実施される以前までは高校の「数学Ⅰ」で学習する内容だったようです)
箱ひげ図を見て「何だコレ?!」って思いましたね。
全く、これだからゆとり世代は……。
教える立場の者として「習ってないから知りません」というわけにはいきませんので、これを知ってから慌てて勉強しましたよ。
(この歳になって専門の数学で新しいことを勉強するなんて思いもしませんでした。しかし、やっぱり新しい知識を得るのは楽しいですね)
このように、今回の学習指導要領の改訂では、以前までは高校1年生で学習していた「統計」分野の内容が中学校に少しずつ移行されたって感じです。
これまで、「方程式」や「関数」の分野と比べると「統計」分野は学習内容がやや少ない印象があったので、これで他分野とのバランスが多少は良くなったかなーと個人的には思います。
なので、現在中学生の皆さん・これから中学生になる皆さんやその保護者の方々は、今後は上記の点に気を付けて中学数学を勉強していただけたら幸いです。
(「統計」分野って、学校のカリキュラム的に学年の最後に学習する場合が多いので、年度末のバタバタする時期に急いで教わるってことがあるんですよね……)
中学校理科における変更のポイント
続いては中学校理科の変更点について。
理科は高校内容からの移行こそありませんが、かわりに以前までとは学習順序が大きく変更されました。
なぜかというと、これまでの学習指導要領では理科のカリキュラムを大きな括り・ジャンル分け(マクロ視点)で組んでいたのに対し、新しい指導要領では小さな括り・ジャンル分け(ミクロ視点)で組まれているからです。
マクロ? ミクロ? 何言ってんだコイツ…?
スミマセン、ちょっとカッコつけた言い方になりましたね。
では、実際の変更を例にご紹介します。
それでは一番分かりやすい「生物」分野を見ると、これまでのカリキュラムでは
1年生「植物の特徴」
2年生「動物の特徴」「生物の進化」
3年生「生物のふえ方」
という風に、かなり大きな分類で学年毎に分けて学習していました。
それが、2021年以降では
1年生「植物・動物の外面的特徴」
2年生「植物・動物の内面的特徴」
3年生「生物のふえ方」「生物の多様性と進化」
という様に、ガラッと入れ替わっています。
ドラ●エで例えるなら、
1年生「メラ・メラミ・メラゾーマ」
2年生「ヒャド・ヒャダルコ・マヒャド」
3年生「イオ・イオラ・イオナズン」
↓
1年生「メラ・ヒャド・イオ」
2年生「メラミ・ヒャダルコ・イオラ」
3年生「メラゾーマ・マヒャド・イオナズン」
の順番で魔法を覚えていく感じですかね。
(ド●クエを知らない人には大変申し訳ございません……)
つまり、ザックリとした書き方をすると
1年生「植物Lv.1→植物Lv.2→植物Lv.3」
2年生「動物Lv.1→動物Lv.2→動物Lv.3」
3年生「生物Lv.1→生物Lv.2→生物Lv.3」
↓
1年生「植物Lv.1→動物Lv.1→生物Lv.1」
2年生「植物Lv.2→動物Lv.2→生物Lv.2」
3年生「植物Lv.3→動物Lv.3→生物Lv.3」
(※Lv.(レベル)は難易度というよりも知識の深さを表しています)
っていう感じで、植物や動物といった大きな括りで分けるのではなく、学年が上がる毎に外面的な知識からより思考力が必要となる知識の獲得へとシフトするようになったということです。
実は、数学は依然からずっとこの順序で学習していました↓
1年生「方程式Lv.1→関数Lv.1→図形Lv1」
2年生「方程式Lv.2→関数Lv.2→図形Lv2」
3年生「方程式Lv.3→関数Lv.3→図形Lv3」
この順番、一見するとすごく学習しやすい感じに見えますよね。
学年が上がるにつれて難しい概念を学習していきますから、学習効率が良さそうです。
(ドラク●でも同じように魔法を習得していきますし)
ただ、僕は個人的にこの順番は正直ちょっと微妙だと思っています。
(こんなこと言ったら文部科学省の方々にお叱りを受けそうですが)
まぁ、そんなお偉いさん達がこんな小さな個人ブログを読んでいないでしょうから平気ヘーキ♪
と言うのも、同じ分野の内容は間隔を空けずに通して学習した方が理解しやすいと思うからです。
だって、折角「方程式Lv.1」を覚えたのに、次に「方程式Lv.2」を勉強するのはおよそ1年後ですよ?
こんなの、Lv.2を習う頃には確実にLv.1の内容を忘れてるでしょ?
(定期的にしっかり復習をしている真面目な子なら別ですけど)
実際、カリキュラムを自由に組み立てられる私立学校の中には、同じ分野の内容が続くように計画されている所もあるようです。
とは言っても、これは僕の個人的な意見ですし、実際に勉強する子ども達にとっては新しいカリキュラムにある順番の方が身に付きやすいかもしれませんので、これ以上の言及は控えておきます(ヘタレ)。
いずれにしても、中学理科は以前までとは学習する順序が大きく変更されているという点は注意しておきましょう。
最後に
ということで、いかがでしたか?
小学校の頃とは違い、中学校生活には全員必須の高校受験が待ち構えています。
なので、入試日から逆算した受験勉強の期間と内容を計画するためにも、3年間の学習内容とその順序は早い内から頭に入れておきたいところです。
中学生およびその保護者の皆さんが、受験を前にしても焦りや不安を感じることなく、冷静に自身(子供)の学習状況・学習計画を俯瞰して分析できることを願っております。
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