前回の記事で2020年教育改革で中学校理科の学習はどう変わったか?についてお話しました。
結論だけ言うと、大きな変更点は1つだけで学習順序が大きく変わったということ。
なのですが、そもそも「中学校理科の学習内容なんて知らなかった」という方が多いのではないでしょうか?
(当たり前のように知っているのは、僕のように学習塾で働く人や中学校の理科の先生くらいじゃないですかね?)
というわけで、今更ですが
「皆さんは中学校で習う理科の学習内容をどのくらい把握していますか?」
学校毎に学習する順番は多少の違いがありますが、学習する内容は変わりません。

もしも変わってたらヤバい学校ですよ。なにせ天下の文部科学省が作成した学習指導要領というものがありますからね
大体は学期毎に異なる分野・単元を学習することになるので、定期テストの対策がしやすい反面、あまり学年全体・中学全体の学習内容について意識しない人も多いのではないかと思います。
しかし、理科に限らず全ての科目において、予め学習内容の全体像を認識しておくことは非常に重要です!
直近の定期テストまでのテスト対策の計画を立てたり、入試までの学習計画を入試日からの逆算で考えたり、長期休暇中の重点復習単元や目標を決めたりする際には、全体像を知っていた方がより明確に、より具体的に考えて計画することが出来ます。
ということで、中学校で学習する内容を学年別・分野別に分けて挙げると
【中学1年生】
物理:光・音・力
化学:物質の性質
生物:動植物の外面的な特徴
地学:地震・火山・地層
【中学2年生】
物理:電流と磁界
化学:化学変化と化学反応式
生物:動植物の内面的な特徴
地学:天気
【中学3年生】
物理:物質の運動とエネルギー
化学:化学変化とイオン
生物:生物の遺伝と進化
地学:天体
(※中学3年生は上記の他に環境と自然、科学技術についても学びます)
かなりザックリと分類すると以上のような感じですかね。
(もっと詳細な学習内容を知りたい方は、各教科書会社のHPより「年間指導計画作成資料」をご覧いただくか、僕にメールしていただければ返答いたします☆)
そもそも理科という科目の名称を用いるのは小中学校までで、高校からは分野別に科目が物理・化学・生物・地学の4つに分かれます。
逆に言うと、本来ならば4つある学問分野の内容を1つにまとめたのが「理科」という科目です。
今って理科の教科書は学年毎に1冊ですよね。

急に何を当たり前のこと言ってんだ…?
おそらく十代~二十代の人はそう思うのでしょうが、僕と同世代以上の人達の頃には、理科の教科書が上(じょう)と下(げ)の2種類ありませんでしたか?
これは第一分野、いわゆる理系科目とされる物理・化学分野の内容が記載されている冊子を上(じょう)、そして第二分野、いわゆる文系科目とされる生物・地学分野の内容が記載されている冊子を下(げ)として構成されていました。
でもこの構成、一見すると何か整理されてる感じがしますが、当時を思い出すにメチャクチャ面倒だったという記憶しかないんですが、どうでしょう?

授業で上の内容を学習するのに、間違えて下の教科書を持って来ちゃったりとか……。
しかし、こと勉強となったら話は別。昔の二冊構成にもメリットがあります。
というのも、数学と同様に理科の学習でも分野の繋がりを意識することがスムーズに理解していく上で大切だからです。
生物を例にすると、生物は大きく動物と植物に分類され、1年生ではそれらの外面的な特徴を知り、2年生でより深い内面的な特徴を学び、3年生でより根源的な細胞のふえ方や進化の過程へと発展していく…といった感じ。
(分かりにくいですね、スミマセン。もっとシンプルに徐々に覚え辛い内容が増えてくるくらいの認識で十分ですのでご心配なく)
ですが、ただ先生に教えられるがままに勉強していると、そういった繋がりを意識することはあまりありません。
(一応、教科書の構成上は4分野ごとに章・単元が分かれていますが、その意味については特に説明されないと思いますので)
加えて、1年間で見ると物理・化学・生物・地学と、全ての分野を満遍なく勉強する構成になっているので、何となく理科というと単元毎に内容が全然違う、ブツ切りで学ぶものだというイメージがついている人もいるでしょう。
しかしながら、それでは学校の定期テストには対応出来たとしても、中学校全体の内容が出題される公立高校入試には対応出来ません。
なぜなら、入試は定期テストのように出題範囲が限定されないので、大問毎に学年の内容を越えた分野の繋がりを考慮されて出題されるからです。
更に近年では、2020年の教育改革の影響もあり、より思考力・想像力・表現力を問う問題が出されたり、資料を上手く読み取る力が試される問題が多く出題される傾向へと変化しています。
(その内、数学のみならず社会、英語など他の教科との融合問題も出るようになるとか…)

理科は計算が必要な問題が結構あるので、数学との融合問題はこれまでにも割と出題されていましたけどね。
そんな中で、1学年4単元✕3の全12単元の内容という、単元が個々に分かれたイメージで理科の勉強をしていても、単なる知識の丸暗記にしかなりません。
中学3年生の受験勉強の際は勿論、1・2年生の内から分野の繋がりを意識した予習・復習を行うことが、結果として効率の良い勉強になると言えるでしょう。
(僕の出身である石川県内では見られませんが、私立中学校の一部では植物→動物→遺伝といったように分野に沿った順番で授業が行われている学校もあるのだとか)
前回の記事でもド●クエを例に挙げましたが
メラ→ヒャド→イオ→メラミ……
みたいな順番で魔法を覚えるよりも
メラ→メラミ→メラゾーマ
の順番の方が覚えやすいってことですね。
それに、この方が序盤で高等魔法が使えるので冒険も楽になって一石二鳥じゃないでしょうか。

最近ではドラ●エで例えても通じない生徒が多いので、授業ではこの例えは控えますけど…
というわけで、いかがでしたか?
最後になりますが、石川県の公立高校入試では4分野バランス良く出題されるので
「オレ文系だから物理化学は苦手…(´・ω・`)」
とか言ってると大きく点数を落とすことになります。
(私立入試は高校によって多少バランスが異なる場合がありますけど、それでも分野によって全く出題されないということはありません)
そもそも、中学校まで分野に分かれず「理科」で統一されているのは内容の難しさ的に分ける必要が無いから。
分野によって多少は勉強の仕方を変えた方が効率が良いということはありますが、それでも
やって出来ないことは無いっっ!!
自分の頭は文系だとか理系だとか考えるのは高校に入ってからで十分です。
今はとにかく自分の可能性を信じて、4つの分野を順序立ててマスターしていきましょう!
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