「時間は大切」
なーんて、何を今更というくらい、至極当たり前のことだと思うでしょう。
人生の時間は有限であることも、だから一日一日を大切にした方が良いことも、何となくであっても誰もが感じているハズです。
ですが、そういった感覚について、大人と子供とでは少々事情が異なります。
というのも、子供は時間の大切さというものを頭では理解していても、実際に体感することは難しいからです。
時の流れを速く感じたり、変化の無い日々に喪失感を覚えたりするのは、大体は大人になってからでしょう。
一体なぜか?
それには「ジャネーの法則」というものが関係してきます。
えぇ~、何だか難しい話
になりそうだな…うん、
もう読むの止めよう。
ちょちょっ!?
そんな方は、まず
コチラの動画から
ご覧ください↓
こちらは、過去に「なぜ勉強するのか?」をテーマにした記事を執筆する際にも引用したyoutubeチャンネル「フェルミ研究所」で公開されている動画です。
この動画は、ジャネーの法則についてコミカルに分かり易く説明されているので、まず取っ掛かりとして大まかに理解するには丁度良いでしょう。
(個人的には1.75倍速くらいがオススメですね)
本記事では、動画で伝えている内容に加えて、さらに突っ込んだことまで解説していきます。
学習塾経営に携わる一教育者として、中学生くらいの子どもが読んでも理解でき、かつ今後の人生を送る上で為になる内容にしたつもりです。
ですので、大人はモチロン子どもの読者さんも、どうか最後までご一読くださいませ。
引用した動画だけで
満足しないでね☆
ジャネーの法則とその根拠・要因
時間は誰にでも平等に与えられている
そう、そうですよね、これまた当たり前ですよね。
1日は24時間、1年は365日(閏年は除く)、地球上に生きる老若男女みんな同じハズです。
しかし、とは言うものの、どうでしょうか大人の皆さん。
1年過ぎるの、早くない?
新年を迎えたかと思ったら、気付いた頃には夏秋すっ飛ばして季節は冬、今年も残り僅かになっていませんか?
そこまでじゃなくても、
軽く1~2ヶ月分くらいは
時間がスキップされてる
気分ですよね。
それもそのはずで、確かに大人も子供も与えられている時間こそ同じですが、その感じ方には大きな隔たりがあります。
それを分かり易く伝える法則が、本記事のメインテーマである「ジャネーの法則」です。
まずは「ジャネーの法則」とは何なのかについて、具体例や根拠も挙げながら詳しく見ていきましょう。
それでは、どうぞ!
ジャネーの法則とは?
「ジャネーの法則」とは、フランスの哲学者ポール・ジャネ氏が発案した、心理学における法則です。
この法則について、他サイト等で紹介されている文面は以下の通りになります↓
主観的に記憶される年月の長さは生活年齢に反比例して、年少者ではより長く、年長者ではより短く評価される。
あ~ハイハイ、なるほどね。
完全に理解した☆
…と、一発で完璧に解読できた人は超絶優秀でしょう。
しかしながら、おそらくこの記事をご覧いただいている読者の半数以上が思っていることは一つ
ちょっと何言ってるか分からない。
いや、ジャネさんには
ホント申し訳ないとは
思いますけどもね。
というわけで、僭越ながら僕が上記の内容を一言で要約すると
体感時間は年齢に反比例する
は、ハンピレー…?
みたいなリアクションを反射的にとってしまう数学アレルギーの方に向けて、反比例という言葉を使わずに書くと
歳を取れば取る程、1年が短く感じる
ですかね。
まだ少しイメージし辛いかと思いますので、少し具体例を挙げて見ていきましょう。
ジャネ―の法則の具体例
これもよくネット記事などに引用されている内容ですが、ジャネ―の法則に基づいて年齢による体感時間の違いを計算すると
(5歳児の1年)≒(50歳成人の10年)
また、もしも90歳まで生きると仮定すると
20歳で人生の半分を終える
※あくまで体感的な話ですし、これは生まれて間もない2歳までの体感時間を含めずに計算した場合ですので、その点どうかご了承ください。
(なので、サイトによっては18歳とか19歳とか書いてありますが、あまり気にしないで大丈夫です)
そう考えたら、ギリ平成生まれである僕(ゆうき塾長)の人生は体感的には既に半分以上終わっちゃってますね。
か、哀し過ぎる…っ!
なんだか、残りの人生
に絶望を感じてしまう
程の衝撃です…。
読者の皆さんも、一度は経験したことがないでしょうか?
「あぁ…歳を取ると1年があっという間だなぁ…」
という、えも言われぬ喪失感や虚無感を抱いた経験を。
(小中学生や高校生の読者の皆さんには、なかなか理解し難いと思いますが…)
あの感覚は、決して気のせいではなかったんです。
では、なぜ歳を取ると時間が短く感じてしまうのか?
続いては、ジャネ―の法則の根拠・要因とは何なのか、見ていきましょう。
ジャネ―の法則の根拠・要因
正直なところ、年齢と体感時間が反比例するという関係が数学的に正しいかと言うと、どうやら大分怪しいらしいです。
体感時間は目に見えない
ですし、個人差なんかも
あって数値化とか普通に
ムリゲーですよね。
数学的な正確性についてはさておき、それでも心理学的に考えると、ある程度の信憑性はあるようです。
なぜなら
人間は新しい体験をすることで、その記憶が強く心に残って時間を長く感じるから。
つまり逆に言えば
新しい体験をしなくなると、心に残ることが無くなって時間を短く感じるから。
確かに、小学校・中学校の頃は知らない事が沢山あって、毎日がとても新鮮に感じました。
それに比べると、大人になってからは毎日が同じ事の繰り返しで、何かに感動することが極端に少なくなったという印象がありませんか?
そして、いつの間にやら12月に突入し
「今年もあっという間だったなぁ…」
なんていう風に、そこはかとなく憂鬱な気分に陥るわけです。
な、なんだろう、
目から汗が…。
ただ、そもそも歳を取ったら絶対に新しい体験が減るものなのかというと、必ずしもそうではありません。
何歳になっても新しいことにチャレンジし続けることで、常に新鮮な気持ちで若々しく充実した日々を過ごしている人もいます。
ですが、その数は決して多くないでしょう。
なぜかというと、人間は新しい事を前にすると現状維持しようとする、つまり変化を恐れる防衛本能が働くからです。
以前の名言紹介にも出た
「現状維持バイアス」
ってやつですね。
なので、結果として多くの人が年齢を重ねるごとに体感時間が短くなってしまいます。
つまりは
①新しい体験の枯渇
②現状維持バイアス
この2つが、ジャネーの法則の根拠・要因になっているということです。
人生の体感時間を延ばす方法
さて、ここまでは「ジャネ―の法則」の意味と具体例、根拠・要因について見てきました。
歳を取る程に体感時間が短くなる
その残酷な現実を、私達はただ受け入れることしか出来ないのでしょうか?
そう考えるのは
少し早計です。
以下では、歳を取っても出来る体感時間の延ばし方について解説していきます。
「なんだか最近、時間が過ぎるのが速いなぁ…」
と憂う気持ちを抱える皆さんは、是非ともご一読ください。
それでは、どうぞ!
新しい体験をする
いや、だから多くの人は
それが中々できないから
悩んでるって話でしょ?
まぁそうなんですけど、
それでも体感時間を延ば
すには、やっぱりコレが
一番効果的なので。
前述の通り、確かに人間は現状維持バイアスに囚われており、今までと異なる行動をとることを恐れる性質があります。
しかし、それは私達が新しい一歩を踏み出すことを困難にするものではあっても、不可能にするものではありません。
新たな可能性を見つけるという意味でも、今後も精神的に若々しく生きる為にも、勇気を出して未知の体験に一歩踏み込むことは必要でしょう。
それに、なにもいきなり会社を辞めるとかエベレストの頂上まで登るとか、そんな超絶ハードルの高いことはしなくても良いんです。
いつもと違う道を通って通勤・通学する
いつもと違う定食メニューを食べてみる
はじめは、日常の中で固定化してしまっている、ほんの些細な事を変えてみるだけでも十分。
ちょっとした変化でも、
新しい気付きや楽しさを
感じられるハズですよ。
また、現状維持バイアスに負けず新しい体験をするコツもあります。
それは
準備が整わないうちに始めてしまうこと。
いや、分かりますよ。
十分に準備をせず見切り発進とか、普通に不安ですよね。
僕もそう思います。
でも、何か新しいことを始めようと思い浮かんだのなら、その瞬間が最もモチベーションが高まっている時です。
それ以降は、準備と称してアレコレ考えれば考える程にネガティブな事が頭に浮かび、ドンドンと不安が募っていくことでしょう。
過去の名言紹介でも
解説していますので、
よろしければどうぞ↓
もちろん、ガチで失敗できないことであれば慎重になる必要がありますが、そうでなければ意外と人生なんとかなります。
普段は何気なく同じものを選んでいる選択肢ですが、思い切って違う選択をすれば、いつもとは異なる景色が見えるハズですよ。
細かな部分に注目する
いつもと同じことをする場合にも、体感時間を延ばすために工夫できることはあります。
それは
行動する中で、普段は意識しないような細かい部分にも注目すること。
そうすることで、記憶に残るような新しい気付きや体験が増え、結果として体感時間が延びるというわけです。
え~っと、つまり
…どゆこと??
ちょっと分かりにくい
と思いますので、少し
例を挙げてみますね。
例えば、食事をするという行動を見てみましょう。
いつもと同じ定食を、いつもと同じように何気な~く食べていたら、気付いた時には食べ終えていると思います。
しかし、いつもと同じ定食だったとしても
一つ一つの食材に注目し、それぞれの産地や旬、切り方の工夫を考える
一品一品の味に注目し、食べ合わせや調味料との相性を試してみる
料理と食器に注目し、色合いや盛り付けで感じたことを言葉にする
という感じに、料理に対して色んな視点から興味・関心を持ってみることで、食事の中で様々な気付きや体験を得ることが出来るというわけです。
いきなり全部のことに
興味を持つのは難しい
ので、まずは一つでも
試してみて下さい。
逆に言うと、もし前述したような新しい体験をしたとしても、細かいことに注目しなければ大した効果は望めません。
いつもの焼肉定食からサバの味噌煮定食に変えてみたとしても、TVやスマホを見ながらボーッと食べていたら、体感時間は変わらず短いままでしょう。
(栄養的には良くなってるかもしれませんけど)
それでは、いつもと変わらない「食事をとった」という一つの出来事として、脳の中でまとめられてしまいます。
これは、食事に限らずスポーツなど他の体験でも同じです。
今ある日常の細かな部分に目を向け、新たな気付きや体験を得ることで、ぜひ充実した時間を過ごして下さい。
代謝が上がっている時に行動する
僕達が感じている時間の進み具合には、なんと「代謝」も深く関わっているらしいです。
ふぅ~ん。ところで、
「代謝」ってよく聞く
けど、結局なんなの?
代謝とは、私達の体内で無意識に行われている様々な生命活動のこと。
この代謝、実は1日の中で活発にはたらく時間と緩やかになる時間があります。
朝方、代謝が低い状態から夕方にかけて徐々に上がっていき、ピークに達するのは午後5時頃。
その後は、夜の就寝へと近づくにつれて段々と下がっていくという感じです。
この代謝の活性具合に合わせて、代謝が落ちている時には時間が早く進むように感じ、逆に代謝が高まっている時には時間がゆっくり進むように感じるとのこと。
(まぁ代謝とか普段から意識してる人は極少数でしょうし、そんなこと言われても今一つピンとこないという人が殆どだと思います)
正直なところ、僕も
ほーん
って感じですかね。
朝起きてから、代謝が良い具合に高まるまでに、大体3時間はかかるようです。
ということは、休日だからといって昼過ぎまで惰眠を貪っていたら、下手すると代謝が十分に上がるのは夕方ピーク時になってしまうでしょう。
そして、気付けばTVからは某国民的アニメのエンディングテーマが…。
なんと恐ろしいことか…っ!
これでは、折角の休日を自ら短く感じるように過ごしているようなもの。
早起きした方が、代謝が高まっている時間を長くキープできる為、一日を長く過ごしたい場合には目覚ましセットを心がけると良いでしょう。
※ただ、それでも二度寝・三度寝は休日の醍醐味ですし、幸福感も得られますから別に否定は致しません。
その代償として
「時間をムダにした」
っていう喪失感も正直
ハンパないですけど…。
また、一時的に代謝が高くなった結果、体感時間が長くなることもあります。
例えば、風邪などの病気で寝込んでいる時には、時間の流れが遅く感じたりしませんか?
これには、病気により体の代謝が活発になっていることが関係しているようです。
また、運動することでも代謝が上がるそうで、スポーツなどで体を動かすと時間を長く感じることが出来ます。
(ただし、あくまでも効果は一時的なものですけどね)
広くて明るい空間で過ごす
最後に、周囲の環境と体感時間との関係を見ていきましょう。
人間は広くて明るい場所で過ごすと、より時間の流れをゆっくり感じる傾向があるそうです。
と言っても、部屋を広くしたり照明を沢山つけたりするということには、どうしても物理的・金銭的に限界があるかと思います。
そこでオススメなのは、視覚的に部屋を広く明るく見えるようにすること。
視覚的…って
どゆこと??
例えば↓
壁や天井を白など明るい色にする
姿見鏡やガラス製の家具を置く
奥行きのあるレイアウトにする
収納を工夫して目に見える物を減らす
などの方法があります。
中には手軽に実行できるものも結構ありますので、気になる方は試してみて下さい。
(ちなみに、子どもの体感時間が長いことの理由として「身体が小さくて空間を広く感じるから」というのもあるらしいですね)
逆に、カラオケボックスのような狭くて暗い空間は、時間が早く過ぎるそうなので注意しましょう。
確かに、カラオケ中の
時間の速さは尋常じゃ
ないですよねぇ…。
また、時間の経過に意識を向けるというのも、体感時間を延ばす一因になります。
なので、リビングだけでなくトイレや洗面所など複数の部屋に時計を置くというのも、時間の流れを緩やかにするのに効果があるということです。
そういえば、学校や塾の授業でチラチラと頻繁に時計を見ながら
「あ~早く終わんねーかなぁ」
とかって考えていた子、クラスに一人はいませんでしたか?
(一人どころか二桁くらい存在しそうなものですが)
そういう子は、自ら授業時間を長びかせていたというわけですね。
あくまで”体感的に”
ではありますけど。
ただ、楽しいことに熱中していると時間の経過に意識が向かなくなるものですし、だからといって時間を気にしていると楽しさが損なわれてしまいます。
勉強にしても、集中して取り組んでいると時間が早く感じられますが、一方で時間にばかり気を取られていては問題が頭に入ってきません。
楽しい時間や勉強の時間を長く感じさせるには、時間に意識を向ける以外の方法にした方が良いでしょう。
最後に
というわけで、いかがでしたか?
ジャネーの法則とその具体例と要因、そして体感時間を延ばす方法について、分かり易く伝わったのであれば幸いです。
最後に、体感時間を縮める効果が強い方法を一つご紹介します。
それは
ネットサーフィン
「ネットサーフィンをしていたら、いつの間にか何時間も経っていた]
なんていう苦い経験は、皆さんも一度はあるのではないでしょうか。
分かりみが深過ぎる…。
ネットで検索して調べものをする時
動画投稿サイトで動画を視聴する時
普段は落ち着きがなく注意力散漫な人でも、学校の先生や会社の上司が嫉妬する程の集中力を発揮しています。
その結果、時間の経過に意識が向かなくなり、恐ろしいくらいに体感時間が短くなってしまうというわけです。
前述の通り、スポーツなどで活発に体を動かした方が、一日という限られた時間をより長く過ごせることでしょう。
とは言っても、なにも平日を乗り切った心身ともにヘトヘトな状態で、無理に運動しろというわけではありません。
僕だって運動は
嫌いですし。
それでも、何の変化もなく、いつもと同じように部屋でダラダラと過ごすのは勿体無いと感じる時もあると思います。
そんな時には、室内・屋外を問わず色んな場所で色んな経験をして、小さな気付きを見つけてみてはいかがですか?
きっと、その一つ一つが長く記憶に残る、充実した時間となるハズです。
体感時間というものは、ちょっとした工夫次第で2倍にも3倍にもなります。
子どもの頃のように、沢山のワクワク・ドキドキするような体験をして、自分の年齢が気にならないくらいに楽しい人生を送れると幸せですね。
コメント