久し振りにやってきました
「教育改革でどう変わったか?」
シリーズの第4弾です☆
(第1~3弾については過去記事をご覧ください↓)
今回は最も話題になった小中学校の英語について、2020年教育改革でどういった変化が起こったのか具体的に見ていきましょう。
例の如く、細かな変化は適度に省略して重要度の高い大きな変化をピックアップしていきます。
細かい部分まで挙げてたら文字数がえらいことになるので…。
ただいま絶賛小中学生の皆さん。
またはその保護者の皆さん。
はたまた教育関係者の皆さん。
「変わった事は知ってるけど、何が変わったのかイマイチ分かってないんだよなぁ」
という方は、ぜひ参考にして下さい。
小学校の英語における変化
小学校における教育改革の内容は2020年度より完全実施されました。
内容の変化もありますが、単純に授業時間数が大きく変わったことも特徴的です。
年間の授業時間数で見ると、なんと3~6年生あわせて140時間も増加したというから驚きですね。
僕が子どもの頃は
全く習わなかったのに…。
(ジェネレーションギャップを感じざるを得ません)
それでは、以下で内容の変化について見ていきましょう。
3・4年生で「外国語活動」
教育改革前まで英語の学習をしていなかった3・4年生で「外国語活動」の授業が行われるようになりました。
随分しゃらくさい名前ですが
「英語」じゃダメなんですかね?
年間の授業時間数は35単位、週あたり1単位程度の学習となっています。
(1単位:45分)
授業は
「聞く」
「話す(やり取り・発表)」
の2技能3領域がメインで、英語の音声に慣れ親しむことが主な目的とのこと。
具体的には
絵本の読み聞かせ(聞く)
テーマを決めた話し合い(話す)
などといった活動が行われているようです。
ただし、外国語活動は教科ではありません。
なので、通知表・通信簿に数値で成績がつくことはなく、検定教科書の代わりに文部科学省が作成した「Let’s try」という教材を用います。
一般書店では販売してないかもしれませんが、ネットでは普通に売ってますね。
(いいのかな?)
5・6年生の英語が教科化
小学5・6年生では、2011年から「外国語活動」が年間35単位の授業として必修化されていました。
この頃はまだ「教科」ではなく、数値によって成績がつくこともなかったです。
それが、2020年教育改革で「外国語」という教科に変わって成績がつくようになり、年間の授業時間は70単位へと増加。
これは週あたり2単位程度の頻度で、実際には15分ずつに分けて朝礼前などの時間を使って授業を行うケースもあるようです。
このように時間を分けて学習することを「モジュール学習」といい、授業の途中で学習意欲が下がるのを防ぐなどのメリットがあるとのこと。
まぁ単純に
これ以上時間割を増やせない
のかもしれませんけど。
授業内容は、小3・4の2技能3領域に
「読む」
「書く」
が加わり、4技能5領域となりました。
教材には、これまた文部科学省が作成した「We Can!」という冊子が用いられています。
どうやら
「子供が失くしたから再び購入」
ってパターンが結構あるみたいですね。
※同じ名前の別教材が英会話スクール等で使用されていますのでご注意ください。
う~~ん、
ややこしい!
単語・文法の習得目標が設定
授業時間が増えたことで必然的に学習する内容も増加し、新たに単語・文法の習得目標が設定されました。
小学校の4年間で600~700語程度の単語を扱うよう目標が定められ、それまで中学1年生で学習していた文法事項の多くを小学5・6年生で学習します。
どんな文法かというと
be動詞
不規則動詞の過去形
疑問詞
代名詞
動名詞
助動詞
などですね。
※ただし、文法として習うのではなく単に会話表現として用いるため、中学校の学習内容が前倒しになるわけではありません。
それでも中学校では
習った前提で授業が進む
場合が多いですけど…。
中学校の英語における変化
中学校における教育改革は2021年度より完全実施されました。
年間の授業時間数に変更はありませんが、学習する英単語や文法内容が増加しています。
つまり
時間は変わらず内容が増えた
ということですね。
……ん?
それって
一番ヤバいやつでは…?
それでは、以下で大きな変更点を詳しく見ていきましょう。
授業は原則全て英語で実施
いわゆる「オールイングリッシュ授業」ってやつです。
ただ、あくまで基本的には英語で授業をするというのであって、状況によっては必要に応じて日本語で話すこともあるでしょう。
実際、令和元年度に実施された文部科学省による調査では
「発話の半分以上を英語で行っている教師の割合は76.9%」
という結果が出ています。
これは、授業を受けている生徒の理解度によって先生が使える英単語・文法が限定されてしまうから、どうしても英語で表現できない場面が出てしまうのが原因です。
先生の英語力に問題があるわけではないですよ~。
(多分)
単語・文法の習得目標が増加
教育改革前までは1200語だった単語の習得目標が、改革後には1600~1800語にまで増加しました。
また、文法事項についても
感嘆文
現在完了進行形
原形不定詞
仮定法
などの内容が高校から移行されています。
先述の通り授業時間数は変わっていませんので、改革前と比べると学習内容を詰め込み過ぎな印象を受ける方も多いでしょう。
少なくとも塾業界では
かなり騒がれてます。
特に中学1年生の学習内容は、小学5・6年生でも扱われる単語や文法が多いことから、かなり省略されているので大変でしょう。
要は
「小学校でも出てたから大丈夫だよね?」
の感覚で、極短いページにまとめてサラッと解説しているだけということです。
例えば、改革前まではbe動詞と一般動詞それぞれ1単元分の学習内容だったのに、新しい教科書ではまとめて1単元になっているという、中々の鬼畜仕様。
これにより、be動詞と一般動詞の区別が曖昧なまま学習が進んでしまい、その後の文法内容が上手く覚えられなくなってしまう危険性も出てくるでしょう。
中1の英語には特別
注意が必要ですね。
最後に
というわけで、いかがでしたか?
小中学校における2020年教育改革で最も大きな変化が起こったであろう英語教育、その主な内容が本記事を読むことで大まかに掴めたのなら幸いです。
特に大人の皆さんの中には、昔と大きく変わってきた英語教育の内容に驚きを隠せないという方も多いでしょう。
これら上記の変化に合わせて、いくつかの都道府県では高校入試の難易度や試験内容、配点などを変更し始めています。
例えば
・民間の資格・検定試験の結果に応じて英語試験の得点に加点する
・スピーキングテストの実施
こういった動きは、今後も各都道府県で増えてくるはずです。
教育改革による学習内容の変化だけでなく、入試の動向にも注視する必要がありますね。
当ブログでは、これからも教育に関する情報を収集・発信していく所存ですので、どうぞヨロシクお願いします。
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