以前の記事で「2020年の教育改革で中学校の数学・理科がどう変わったのか?」ということ、その前提として「そもそも中学校の理科の内容はどんなものがあるのか?」ということをお伝えしました。
というわけで、今回は中学理科に続き中学数学について学習内容のまとめ記事を書いていきます。
では早速ですが、まずは中学校3年間で学習する数学の単元を学年別に挙げていくと
【中学1年生】
正負の数
文字と式
1次方程式
比例・反比例
平面図形
空間図形
資料の活用
【中学2年生】
式の計算
連立方程式
1次関数
図形の合同
確率
【中学3年生】
式の展開と因数分解
平方根
2次方程式
2次関数
相似な図形
円周角
三平方の定理
標本調査
って感じですかね(上から順に教科書の流れと同じになっています)。
理科では学校によって教科書の順番と学習する単元の順番とが異なることが多々ありますが、数学に関しては殆どの学校で教科書の流れ通りに学習していくハズです。
※しかし、例えば石川県内の場合だと県立の錦丘中学校は一部の順序を変えていて
中1のラストに中3の「標本調査」
中2のラストに中3の「円周角」の基礎
をそれぞれ加え、さらに中3では2学期までに中3内容を終了させて3学期から高校数学を学習する学習カリキュラムになっています。
また、私立の星稜中学校では、難関大学を目指す「中高一貫理数コース」に限り中学2年生の間に中学校内容を全て履修し、高校2年生で高校内容を全て履修するという先取りの学習カリキュラムです。
こういった先取り学習は、他県でも主に中高一貫の私立学校などで採用されている所がチラホラあるようですね。
「全ては大学入試に向けて」という意識、まさに中高一貫の私立や県立ならではの取り組みといえそうです。
さて、では上記の単元一覧に話を戻しまして、この流れと学習内容をご覧になって何か気付いた事はないでしょうか?
何か似た名前の単元が
各学年にあるような…?
そう、それですそれ!
実は先日の理科と同じく、中学校の数学も分野で見ると学年内のヨコの繋がりは少なく、学年を越えたタテの繋がりが多く見られるんです。
例えば、1年生では次数が1の方程式である「1次方程式」を学び、続く2年生で文字(元)が2つある1次方程式がペアになった「連立方程式」を、さらに3年生では次数が2の「2次方程式」を……という流れ。
なので、2年生や3年生になって数学が分からなくなってきたという人は、実のところは前学年以前に習った関連単元の理解が不十分だからということが非常に多い!
1次方程式が分からないのに連立方程式を理解できるのか?
否!! 断じて否っっ!!
よく言われることですが、数学の勉強は階段をコツコツと上るように行うこと。
理解出来ないまま一段飛ばし、二段飛ばしに進もうとすると、その先に待っているのは
転落死。
(死は言い過ぎですね。転落事故くらいですか)
そうでなくとも、地道な問題演習を重ねて一歩一歩しっかり踏みしめるように進んでいかないと、テストで計算ミスを連発することになります。
コレただの計算ミス。
分かってたから、
実質100点だから!
とかって言う人いますけど
実質って何だ!??
( ̄Д ̄;)
そうではなくて計算ミスも含めて実力です。
間違いには必ず原因があります。
現実を見つめて、自分の理解が不十分な部分を分析し、欠かさず反復練習(復習)をしていきましょう。
(基礎力とか計算力を身につけるには、地味で地道な練習の積み重ねこそが重要です)
ちなみに、中学校の数学が苦手な人というのは、大抵の場合において小学校の算数で理解が不十分な単元があります。
小学校算数で学習する単元の中で、特に中学校内容との関わりが深いものは
・小5「単位量あたりの大きさ」「割合」
(中学校の方程式の文章題や関数の変化の割合で躓きます)
・小5&6「速さ」
(同じく方程式の文章題や関数の利用で躓きます)
・小6「比」「比例」
(中1の比例や関数全般で躓きます)
と、中でも5年生・6年生で習う内容は中学校で必要なことが多いです。
また、上記の単元内容は中学校理科の計算問題でも非常~に重要!
むしろ中学校の理科で出される計算問題の大部分は小学校の算数の計算知識で解けると言っても決して過言ではありません。
小学校高学年の算数は想像以上に大切だと肝に銘じた方が良いでしょう。
(特に個別指導の塾に通っている子の中には、中学3年生にも関わらず小学校の割合を復習しないといけない子とか割といます)
気付いた時には手遅れに……なんてことのないようにしたいですね。
ということで、いかがでしたか?
以前にも似たようなことを書きましたが
中学校の勉強に理系も文系も無い!
と僕は考えています。
これは決して単なる根性論とか精神論、感情論とかではなく、私たち人間はそれだけの可能性・ポテンシャルを必ず持っているハズだと確信しているからです。
特に日本では数学嫌いな子が多いという統計結果があるようですが
やってやれないことは無い。
数学と一緒に、人生の階段も地道に一歩一歩コツコツと前進していきましょう!
――と、かなり無理のあるクサい台詞で締めとさせていただきます(_ _;;)
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